『DREAM STAGE』中村倫也が見出した“闇鍋”の可能性 “完璧”よりも“未完成”を愛したい
私たちはアイドルに対して、歌やダンス、ビジュアル、立ち居振る舞いまで隙のない完成度を求めながら、同時に、「まだ成長途中にある」という姿にも強く惹かれてしまう。一見すると矛盾しているようにも思える「完璧さ」と「未完成さ」が、金曜ドラマ『DREAM STAGE』(TBS系)第3話では、NAZE vs TORINNERのライブパフォーマンス、吾妻(中村倫也)vsパク・ジス(キム・ジェギョン)のプロデューススタイルとして描かれた。
TGCのステージを成功させ、一気に波に乗ろうとしていた吾妻とNAZE。だが、彼らを徹底的に潰そうと、TORINNERが所属する巨大事務所から圧力がかかる。取材や番組出演は次々と白紙になり、雑誌にはNAZEを下げる記事が続々と掲載される始末。そんな追い詰められたNAZEのもとに、なぜかTORINNERの絶対的センター・リョウ(岩瀬洋志)が、ライブへのゲスト出演のオファーを持ちかける。それはパク・ジスプロデューサーが仕掛けた公開処刑の罠だった。
タダでステージに上がることができる。崖っぷちにいるNAZEにとっては渡りに舟の話にも思えたが、リョウの弟であるユウヤは、ずっと抱えていた複雑な思いを爆発させるように、「そんなのやるわけないだろ! これ以上、僕の仲間をバカにしないでくれ」と啖呵を切って拒む。しかし、吾妻は「いいじゃん、それ! やろうぜ」と、なぜか乗り気。それどころか、「いい話をありがとうな、ユウヤの兄貴」と握手までしてみせるのだった。もちろん、吾妻の目には、リョウがパク・ジスプロデューサーによって動かされていることもお見通し。この敵が用意した罠を、逆に利用してやろうという魂胆だった。
自分を知るための武者修行となった「友だち1000人できるかな大作戦」
吾妻は、まずNAZEに「自分のことをまったく知らない人たちに、どうすれば興味を持ってもらえるのか」を説く。そのために必要なことは「自分で自分を知ることだ」とも。自分が人からどう見られているのか。その上でセールスポイントはどこなのか。それをライブまでに見つけるため、NAZEに街へと出て、自分たちをアピールして来いと命じる。その作戦名が「友だち1000人できるかな大作戦」というネーミングセンスも、吾妻らしいところ。
街を行く人々からNAZEにかけられる言葉は辛辣だ。メンバーの出身国を聞いて「日本人? タイ人? なのにK-POP?」「わざわざ韓国の音楽、やらなくてもよくない?」という残酷な疑問が投げかけられる場面も。見ず知らずの人に好き放題言われて傷つくメンバーを、もはや見ていられないと訴えるマネージャーの水星(池田エライザ)。そんな彼女をいなしながら、吾妻のなかでアイデアがひらめくのだった。
知らないのであれば、知ってもらえばいい。NAZEのメンバーの子どもの頃の写真を映し出し、彼ら一人ひとりが辿ってきた“これまで”に思いを馳せさせる演出。彼らが身にまとうのは、異なる場所から集まって、ひとつのチームとなって活動している覚悟を示す衣装だ。アウェイなステージだからこそ差し出せる「未完成さ」は、まだ何者でもないNAZEの今だからこその魅力として映った。意表を突くライブに、観客TORINNERからも思わず「なんかNAZEかわいいかも」と新規感愛着が沸いた様子だった。