『ばけばけ』トキとサワのわだかまりをほどく“本音” 庄田との関係が動き出す気配
NHK連続テレビ小説『ばけばけ』第84話は、サワ(円井わん)と庄田(濱正悟)が一緒に昼食へ向かう途中、トキ(髙石あかり)とヘブン(トミー・バストウ)とばったり出会う場面から始まる。そこで久しぶりに顔を合わせたトキとサワが、ようやく落ち着いて言葉を交わし、止まっていた関係が少しだけ動き出した。
サワと庄田が一緒にいるところへ現れたトキとヘブン。トキは庄田との思わぬ再会に驚きつつ、サワに「久しぶり」と声をかける。照れ隠しみたいに平然を装いながらも、サワとちゃんと話せる瞬間を待っていた気持ちが、その間から伝わってきた。トキが庄田をヘブンに紹介すると、庄田は英語で挨拶。するとヘブンは嬉しそうに、トキへ「半分弱さん好きです」と耳打ちする。庄田の明るさと英語が、ヘブンのスイッチを一気に入れてしまったのだろう。意気投合したヘブンは、その勢いのままサワと庄田を自宅へ招くことになる。
居心地の悪さを抱えながらも、サワは庄田と一緒に家へ向かう。けれど家に着けば、ヘブンは庄田との会話に夢中で、空気を回す役は庄田が引き受けている。その横で、トキはサワと真正面から向き合う。2人きりで本音を交わすのはいつぶりだろうか。トキは、サワを勝手に新聞に載せてしまったことを謝る。するとサワは、怒り切れない顔で「嬉しかった」とこぼす。複雑だが、ゼロではなかった。トキは山橋(柄本時生)から、新聞をきっかけにサワが目の色を変えて頑張っていたと聞いていたからこそ、その“嬉しい”が強がりではないこともわかっている。このシーンはまず同じ場所でちゃんと向き合えたことを確かめる時間だった。
一方その頃、別室ではヘブンが庄田に「サワをどうするのか?」と踏み込んだ話をしている。隣の部屋にいるトキとサワは、聞くつもりがなくても気になってしまう。トキは、自分がサワと庄田のランデブーを邪魔してしまったのではないかと不安になり、サワに確かめる。しかしサワは動揺しながらも、「ただ勉強していただけ」と反論する。言い訳にも聞こえるし、本心にも聞こえる。サワ自身、庄田との関係に名前をつけきれていないのだろう。
トキは、なみ(さとうほなみ)が家を訪ねてきたことを明かし、「1人で頑張りすぎんでいいんでないかね」とサワに伝える。大げさな励ましではない。サワのしんどさを知っているからこそ、そこを素通りせずに言葉を置いた、という感じがする。かつて“置いていかれる痛み”を抱えていたサワに向けて、トキは遠回しに「1人にしない」と伝え直していた。
そして数日後、庄田が1人で再び訪ねてくる。サワのことが気になっているのははっきりしていて、言いたいことがある様子だ。第84話は、ヘブンと庄田の意気投合で場を明るくしつつ、トキとサワが久しぶりにきちんと言葉を交わせた回でもあった。サワにどう関わりたいのか、庄田の言葉が次の展開を左右していきそうだ。
■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK