『パンチドランク・ウーマン』初回から壮絶な幕開けに 篠原涼子とジェシーの揺れ動く心情

 何台もの警察車両に追われながら、赤いオープンカーで逃走するサングラスをかけた女性。怪我を負った男を助手席に乗せた彼女は、立ちはだかる検問を目の前にしても、猛然とアクセルを踏み込む。

 篠原涼子が日本テレビ系列の連続ドラマで6年ぶりに主演を務めるドラマ『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』は、初回放送から壮絶な幕開けとなった。

 主人公は厳しすぎるほどの正義感と責任感を持ち、常にルールを遵守して仕事に勤しむ冬木こずえ(篠原涼子)。彼女は未決拘禁者(有罪が確定していない被疑者・被告人)を収容する拘置所の刑務官であり、女性が収容された区域「女区」の区長を勤めている。ここに並べられた情報だけでも、最初に映し出された女性と同一人物だとは到底思えない。

 しかし、この物語ではひとりの女性が道を踏み外し、禁断の恋に堕ちていくことが冒頭で明らかになっている。これまで規律を守って真面目に生きてきたこずえが、刑務官としての人生を棒に振ってもいいと決心する。それほどの衝撃的な出来事が拘置所内で起きるのかと、理解できないがゆえの興味が膨らんでいく。

 彼女の信条を捻じ曲げるほどの衝撃“パンチドランク”を与える男が、SixTONESのジェシーが演じる日下怜治。彼は実の父親である春臣(竹財輝之助)を殺して火をつけた強盗殺人の罪で起訴され、氷川拘置所に移送されてきた未決拘禁者だった。

 護送車にぶつかったインコを助けようとしたり、殺人未遂容疑で連れてこられたトランスジェンダーの内村優(沢村玲)にわざと抱きつき、共同室から女区に移れるように手助けをしたり。鋭い目つきで他人を威嚇しながらも、見かけによらない優しさを見せる怜治の謎めいた姿を、ジェシーは本心を悟らせない表情と吸い込まれるような瞳で表現する。

 こずえと怜治の対面シーンからわかるのは、2人がただならぬ関係だということだ。こずえの腕に残る火傷の痕、怜治の背中に刻まれたおびただしい数の刺し傷。トラウマになるほどの傷を心と体に抱えた2人の過去が交錯しているかは判然としない。ただ、こずえの過去を知っており、怜治の父である春臣とは親友だったと語る捜査一課の刑事・佐伯雄介(藤木直人)の存在が、自身もろともに2人の運命を狂わせていくことになるのだろう。

 物語のカギを握ることになりそうなのが、刑務官や収容者の立場を超えた人間関係だ。収容された未決拘禁者たちが次々と映し出されると、それぞれが容疑をかけられるに至った犯行がインサート映像で差し込まれる。傷害、詐欺、殺人未遂……。彼らが犯した罪は許されるものではないが、その背景に横たわるものは、端的に記された容疑を一見しただけではわからない。さまざまな事情を抱える登場人物たちが、外から隔絶された拘置所の中で、咄嗟に溢れ出る感情に振り回される。本作にクレジットされるキャストの多さは、濃密な人間模様が描かれることを予感させていた。

 一瞬も気が抜けない緊張感のあるシーンが続くなか、ついに勃発したトラブルの中心にいたのはやはり怜治だった。殺人容疑で捕まったヤクザの渡海(高橋努)から喧嘩を吹っかけられた怜治は、ニヤニヤと近寄ってきた彼の部下を殴りつけて応戦し、運動場は瞬く間に乱闘騒ぎに。他人に干渉しないと決めたこずえは、自らの仕事を全うするために騒ぎに背を向けるが、いつものようにルールを反芻している最中、怜治の「規則に従ってれば楽でいいよな」という言葉が頭をよぎる。

 彼女が口に出すのをためらったルール4は「誰も信じるな」。しかし、怜治の言葉がフラッシュバックしたこずえは、ルール4を「自分を信じて、行動しろ」と言い換え、乱闘が広がる運動場へと駆け出す。

 怜治を懲罰室に連行しようとする処遇部長の小柳(宇梶剛士)に、暴動は彼ひとりの責任ではないと訴えるこずえ。すると、怜治は「一緒に逃げよう」と囁く。その場では手を取らなかった彼女だが、すでに怜治に心惹かれているのが、篠原の陰る瞳からは伝わってきた。感情を表情に出さない2人の揺れ動く心情を想像するのが、この物語の醍醐味と言えるかもしれない。

 本作は海外で実際に起きた事件から、物語の着想を得たという。脱獄サスペンスと禁断のラブストーリーに隠された複雑な人間模様が絡み合うヒューマンドラマはどのような結末を迎えるのだろうか。「ここから私の人生は危険な坂道を転がり始めた」と回想するこずえが脱獄するまで、あと23日。

パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−

ベテラン刑務官こずえは、強盗殺人犯の怜治と出会い人生を狂わせる。冷静沈着な彼女の秘密に深く関わる怜治との出会いが、運命を大きく変えていく。

■放送情報
『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~23:25放送
出演:篠原涼子、ジェシー、藤木直人、小関裕太、知英、高橋努、尾碕真花、柏木悠(超特急)、沢村玲(ONE N' ONLY)、新納慎也、河内大和、中島ひろ子、久保田悠来、小久保寿人、団長安田(安田大サーカス)、カルマ、高岸宏行(ティモンディ)、星乃夢奈、ベンガル 、宇梶剛士、大澄賢也、竹財輝之助、梶原叶渚、遠山俊也、柾木玲弥、越村友一、山下容莉枝、山田明郷
脚本:いずみ吉紘
演出:中茎強、南雲聖一、菅原伸太郎、茂山佳則
チーフプロデューサー:荻野哲弘
プロデューサー:鈴木亜希乃、福井芽衣
音楽:中島ノブユキ
制作協力:AX-ON
©日本テレビ
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