『豊臣兄弟!』宮﨑あおい×小栗旬の“大河主演”がもたらす説得力 白石聖は序盤の“鍵”に
NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』第2回「願いの鐘」では、小一郎(仲野太賀)が兄の藤吉郎(池松壮亮)、そして幼なじみの直(白石聖)とともに故郷の尾張中村を旅立ち、清須へと向かうこととなる。初回は小一郎と藤吉郎の兄弟、それぞれの人柄と絆が描かれたが、続く第2回では初登場の市(宮﨑あおい)をはじめ、幼なじみの直、母のなか(坂井真紀)といった女性陣の意志の強さやたくましさが印象的に映し出されている。
藤吉郎は信長(小栗旬)の草履取りとして世話になっていた頃から目をかけられていた横川甚内(勝村政信)を盗人として見つけると躊躇なく斬り殺し、“サル”と嘲笑されても褒美のためであれば主君に笑顔で忠誠を誓う、そんな兄の藤吉郎に小一郎は恐怖を抱いていた。
争いを好まない小一郎が、藤吉郎の誘いを受け入れ、侍になるため村を出る覚悟を決める。その大きな動機にあるのは、信長、果てはこの世への怒り。野武士に無惨にも首をはねられた信吉(若林時英)の亡骸を抱き、小一郎は降りしきる雨の中、悔しさと怒りを込め絶叫する。
侍になりたがっている小一郎の背中を押す母・なかの存在も大きくある。興奮からか寝付けない小一郎に、なかは昔話をする。今よりもずっと貧しい頃、小一郎が熱を出した時、薬を調達し村を出て行ったのは藤吉郎だったのだと。パズルがハマるように小一郎の頭の中で藤吉郎のセリフがこだまする。今度は小一郎が藤吉郎を守る番であり、小一郎にしかできないことを。なかは侍大将、さらには将軍を超え、「あんたらは、あのお天道様みたいにおなり」と昇ってくる朝日を指差すのだった。
しかし、なかが話した昔話の薬を用意したのは、正確には了雲和尚(田中要次)。坂井喜左衛門(大倉孝二)の言葉を借りれば、兄が兄なら“母も母”といったところだが、そうまでしないと自分の気持ちに正直にならないことを、なかだけでなく姉のとも(宮澤エマ)や妹のあさひ(倉沢杏菜)も理解していた。
小一郎たちの未来に願いを込めるようにして鳴らされるのは、第2回のサブタイトルにもなっている「願いの鐘」だ。遠くから聞こえる鐘の音が、なかたちのものだと分かったのは小一郎と藤吉郎が昔話を聞かされていたから。願いを叶える不思議な鐘の話は、藤吉郎から信長の妹・市へと伝えられていく。
第2回では、戦国ヒロイン・市が初登場。岩倉城攻めを目前とする信長にアドバイスをする姿や、退屈を持て余す市に藤吉郎が面白い話として「願いの鐘」を聞かす様子と決して出番は多くないものの、兄・信長を誰よりも理解し陰ながら支える一方で、藤吉郎には信長には見せない本音を漏らす、対照的な一面が描かれている。
大河ドラマ『篤姫』(2008年)で主演を務めた宮﨑あおい。あれから18年が経ち、同じ“姫様”でも柔和に、気品ある、そして芯の強い市を堂々と演じている。信長役の小栗旬もまた『鎌倉殿の13人』(2022年)で大河主演を務めており、兄妹揃って主役経験があるというのは、後に共演シーンが多くなっていく仲野太賀にとっては心強いことであろう。「分かりたくなくても分かってしまう。苦しいのは兄上が苦しいから」だと藤吉郎に伝える市。同じ兄を思い支えるという立場では、今後、小一郎と市とで共通点も見えてきそうだ。
祝言から白無垢姿で逃げ出してきた直は、小一郎から一緒に来てほしいと告げられ、兄弟とともに清須の町に向かうこととなる。「私、すごいな。小一郎ならきっとそう言うと思った」とすでに口に出して言いたくなる印象的なセリフを生み出している直は、本作における太陽のような眩しい存在。史実にはないドラマオリジナルキャラクターであり、後の秀長の正妻として生涯をともに歩むことになる慶(吉岡里帆)の存在を考えると、直が“悲劇のヒロイン”とされている意味が透けて見えてくる。侍女として仕える寧々(浜辺美波)とともに、序盤の『豊臣兄弟!』を盛り上げる大事なピースの一人であることは言うまでもない。
NHK ONEを開くと、毎日のように『豊臣兄弟!』の関連番組が追加されていくのだが、中でも1月8日に放送された『午後LIVE ニュースーン』での小栗旬のインタビューが面白かった。「『ひらやすみ』みたいなドラマをやりたい」という発言にも驚かされたのだが、『豊臣兄弟!』の今後の見どころとして「前半15話ぐらいまでは『週刊少年ジャンプ』のような物語」だと明かしていたのにも引き込まれた。出世街道を突き進む兄弟の物語は、さらに疾走感を増していきそうだ。
■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/毎週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石 聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜
大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗旬ほか
語り:安藤サクラ
脚本:八津弘幸
制作統括:松川博敬、堀内裕介
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
音楽:木村秀彬
時代考証:黒田基樹、柴裕之
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
写真提供=NHK
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