田村睦心が語る、“成長し続ける主人公”を演じる醍醐味 『ヘルモード』で見せた新境地
『ヘルモード』は“幸せの感じ方”を教えてくれる物語
――共演の方々とそれぞれに演じられる役についても教えて下さい。絡みが多いのはアレンと同じ農奴の少女で、「剣聖」の才能が現れたクレナ役の飯塚麻結さんですか。
田村:そうですね。飯塚さんは普段はとてもしっかりとしている方なのですが、たまにクレナっぽい面白い間違いをして、「どうしてそうなった?」なんて感じに楽しませてくれました。クレナはものすごい才能を持っている子なんですが、めっちゃ良い子で自分の才能に驕らず、「戦うのが大好き!」みたいな、ちょっと戦闘民族みたいなところがあって、そういう一本気な感じが好きです。ドゴラは畠中祐さんで、「うわーっ」って叫ぶと声がギュンとひっくり返ったり、あさっての方向から来たりする感じがあって面白いです。アレンくんはそんなドゴラを冷静に見るタイプなんですが、笑いそうになることはあります。
――ドゴラはアレンやクレナと同じ村の出身ですが、決して最強ではなく一般人代表のような形です。
田村:アニメが長く続けば長い付き合いになるので、「よろしくお願いします!」という感じです。でも最初はイヤな奴なんですよね。グランヴェル男爵の娘のセシルもワガママな子だったんですが、彼女は彼女でハードモードなことがあって、だんだんと常識人になっていくんです。アフレコもずいぶんと進んでいくと、もうみんな良い奴になっていて、最初の頃はどうだったか忘れかけていました。
――アニメが始まったら、そうした変化を追体験していきたいです。グランヴェル男爵は杉田智和さんでカルネル子爵は宮本崇弘さんです。杉田さんはコミカルな役もよく演じられますが『ヘルモード』ではアレンを導く領主様です。
田村:「こんなにできた人はいない」とグランヴェル男爵のことを杉田さんもおっしゃっていました。だからもう真面目にガッチリとした演技を聞かせてくれます。貴族ってどこかおごり高ぶっているイメージがあるのですが、グランヴェル男爵の場合はこういう人が領主様でよかったって思えるところがあって、それはアレンくんの凄さにオッと驚いてくれるところです。この領主様がいたから、アレンくんは自由に生きることができたんだと思います。宮本さんはもう大爆笑でした。悪い奴なんですが、もう本当に悪いじゃんっていうお芝居をやり切っていて、もはやチャーミングに聞こえてしまいまうんです(笑)。
“死を軽く扱わない主人公”だからこそ生まれる説得力
――それぞれの役や演技に注目したいですね。そうしたキャラクターたちの中にあって、アレンくんの魅力や凄さを改めて教えて下さい。
田村:強い精神の持ち主ですね。あと、なんだかんだ言って優しいところがあります。異世界に行って出来た家族が優しくて、村人たちもすごく優しくしてくれて、クレナやドゴラといった友達とケンカすることがあってもすぐ仲良くなって、そんな人たちを守りたい、もっと良い暮らしをさせてあげたいといって行動するところがあるんです。すごく良い奴。そして賢い。あと、転生した世界にいる人たちを決してゲームのキャラクターではなく、本当にその世界に生きている人と捉えているところがあります。普通の肉体を持って普通の魂を持った人間として見ている。そんな世界を自分も生きているって感じが伝わってきます。
――演じるときも、そうした優しさをしっかりと声に乗せている感じですか?
田村:そうですね。死んでも生き返ったりする魔法がある世界ですが、しっかりと生死を考えている子だと思います。ゲームをしていると、リセットすればOKといった思考になってしまう人もいます。アレンくんは違います。人間として生きている感じがあって好感が持てます。物事を絶対諦めないで挑戦していくところがあって、観ていて凄いなって思います。お話自体も死を決して軽く考えていないところがあって好きです。
――ヘルモードを選んだこともあって、成長ひとつとっても膨大な苦労が求められる人生なのに、まるでイヤな顔を見せませんからね。
田村:山田健一が自分からヘルモードを選ぶような人間ということもありますが、そうした苦労を辛く苦しいものとしては受け止めず、頑張るぞって感じでもなく、やり込んでいくのがすごく楽しいと思っていそうですね。ラクなことなんて起こっていなくて、割と大変が目にもあっていて、それを軽々と乗り越えているわけでもないのに楽しんでいるようなところがあって、すごい精神力だと思って演じています。私自身、結構諦めてしまうタイプなんです。筋トレを始めてもだんだんとキツくなってきて、ちょっと勘弁してくださいってなっちゃうんです。アレンくんならラクラクと乗り越えていくんでしょうね。そんな自分との思考の違いが見えて面白いなって感じています。
――いっそ筋トレもヘルモードで挑んでみるとかいかがでしょう。ぶら下がり健康器にもっと長くぶらさげるよう挑戦したいというお話ですが、すぐに落ちないように剣山を下に置いておくとか……。
田村:実はぶら下がり健康器の下に足つぼマッサージ用のマットを置いてあるんですよ。でも、落ちるときに足が避けてしまって……(笑)。
――意味がない(笑)。作品でのアレンくんの立場で言うなら「召喚士」という才能はどう思いますか。自分も持ってみたい才能ですか?
田村:私、虫が苦手なんですよ。でもアッポーだったら回復をしてくれるからちょっといいかな。ただ、アレンくんのような「召喚士」のスタイルはすごく頭を使うから、自分には合わなさそう。魔力との兼ね合いを考えてあれを出してこれを仕舞ってといったことをメチャ計算しているんです。こんなの私にはできません。どちらかといったらクレナみたいな戦い方が好きですね。
――とはいえ、役では「召喚士」を演じてバリバリと頭を使った攻撃を繰り出しパーティーを導いていきます。これが自分自身にもフィードバックされるようなことが起っているかもしれません。
田村:なっていますかねえ。でもアレンが”効率厨”としていろいろと段取りを決めて動いているのを観ているうちに、自分でも料理をするときにお湯を沸かしながらスパゲティの具を作ったりとか、調理の合間に洗い物を片付けたりとかするようになっているかもしれません。めちゃレベル低い効率じゃん(笑)!
――充分です(笑)。田村さんといえば、アレンくんもそうですが男の子の声をよく演じられる声優として知られています。とくに意識しないで演じ分けられるようになっているのでしょうか。
田村:アニメで男性を演じていても外画では結構女性の役で出させていただくことが多いので、いただいた役を演じるというスタンスで臨んでいます。男性だから、女性だからといった意識をして演じ方を変えているということもあまりないですね。女性を演じるときは喉を少し閉め気味にして、男性をやるときはちょっと開放するということはあったりするくらいです。
長く演じるからこそ生まれる、キャラクターとの関係性
――いつかお姫さまとか演じてみたい女性の役はありますか?
田村:ラブコメの女の子です。それと男の子も。ラブコメって男子はやはり男性がやって、女子はしっかり女子に聞こえる女性がやられている印象です。「私の声が女の子か?」ということはあって、女子高生とか女子中学生には聞こえづらいかもしれませんが、大人っぽい声なら演じられます。あと、別に学生でなくてもいいんです。オフィスラブみたいなものにも憧れます。言っていてちょっとニヤリとしてきちゃいました。男性の役でもいいです。男女にとらわれずラブコメをやってみたい、それがBLだろうとGLだろうとやってみたいので、オーディションが来れば受かるように頑張ります!
――ぜひ聞いてみたいです。田村さんは実に様々な役を演じていますが、そのキャラクターに何か聞いてみたいことってありますか?
田村:心情は合っているのかということを聞いてみたいですね。声の質ということよりは、あなたが思っていることを100%ちゃんと伝えられていますか、ということです。自分自身は伝えられるように読み込んでいるつもりです。絵を見てこういうことなんだろうと思って寄り添おうとしていますが、それでもやはり100%寄り添えているのかは不安です。そのキャラが伝えたいことをちゃんと伝えられていますかと聞いてみたいです。
――アレンについては、ハム男先生がもう田村さんの声でしか考えられないとおっしゃっておられたので大丈夫とは思いますが、役を演じるに当たって声優が本当にいろいろなことを考えていることが分かって勉強になります。
田村:ひと言のセリフであってもひとつの意味ではなくて、いろいろな意味合いがあると思います。それを表現するのが上手くて面白いのが千葉繁さんですね。敵ですごくイヤな奴なのに、怪しくしながら(そういえば鍵閉めてきたっけ?)と思うとか、ちょっとうっかり屋さんのような部分だったり小骨がひっかかっているような感じだったりを思って演じられたりするそうです。そこにちょっとしたキャラクターの深みみたいなものがあったりするんですよね。アレンくんも普通に喋っているように見えて、実はめっちゃトイレ行きたいと思っているかもしれないですし、両親とちょっとケンカしちゃって言い過ぎたと思っているかもしれない。そうした、書かれていないところまで想像してできているか、役を拾えているかといったところは気になります。
――深夜アニメの場合は、1クール2クールといった短い話数の中で役を作っていく大変さがあります。田村さんがよく出演されるアニメは長く続くものが多いです。そこで長く役を務めることはやはり嬉しいですか?
田村:長く演じていると、そのキャラクターに対して親友のような、家族のような、双子のような気持ちになるんです。『ヘルモード』はまだどうなるか分かりませんが、長く関わり続けられたらと思っているので、そういう気持ちで臨んでいきたいですね。
ゲームをする人もしない人も楽しめる『ヘルモード』
――最後に改めて、TVアニメ『ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~』を観る人たちにメッセージがあればお願いします。
田村:『ヘルモード』は山田健一というゲーマーがゲーム世界のようなところで挑戦していく話なので、ゲームをプレイしている方は観て楽しんでいただけると思います。ゲームをしない私のような人間でも、こういう考え方があるんだという感じで楽しめると思います。異世界が舞台ですが、そこに生きている人の心情も生活の様子も、本当に丁寧に描かれています。作品によってはサッと進んでしまうものもありますが、『ヘルモード』はそこの辺りをガッツリと丁寧に描いているので、登場するキャラたちの心理もしっかり感じ取れると思います。
――アレンくんは農奴という最底辺からスタートしますが、明るく生きている姿を見ると自分も頑張ろうという気持ちになれますよね。
田村:幸せの感じ方はひとそれぞれだと思います。どこにいても幸せを感じられる人は感じられる。どれだけ辛くて過酷な環境にいても幸せを感じられるということを『ヘルモード』は教えてくれます。だから見て幸せを感じてください。いずれワクワクする大冒険が待っています。外の世界に出てこの世界を守るぞというアレン君の強い気持ちを感じられるようになるので、そこまで観続けて下さい。
■放送情報
『ヘルモード~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~』
TOKYO MXにて、1月9日(金)スタート 毎週金曜25:05~放送
MBSにて、1月9日(金)スタート 毎週金曜26:23〜放送
BS日テレにて、1月10日(土)スタート 毎週土曜24:00〜放送
AT-Xにて、1月13日(火)スタート 毎週火曜20:30〜放送
(リピート放送:毎週木曜8:30~/毎週月曜14:30~)
監督:玉川真人
シリーズ構成:谷村大四郎
キャラクターデザイン:津島桂
サブキャラクターデザイン・プロップ設定:式部美代子
サブキャラクターデザイン・召喚獣デザイン:井坪優奈
魔獣・大型召喚獣設定:ごとうじゅんじ
武器設定:松田未来
美術監督:栫ヒロツグ(鹿児島ラメカヒリム)
編集:長谷川舞(editz)
撮影監督:喜多隆宏、内田奈津美(アニモキャラメル)
色彩設計:長岡柚衣(RIC)
3D監督:墳下芳弘
2Dワークス:矢崎宏幸
美術設定:山口大悟郎(鹿児島ラメカヒリム)
音楽:土田美咲、中嶋純子、阿部玲子、福廣秀一朗、金崎萌、澤田佳歩、佐久間奏、ボウ・デミアン、栗原真葉、田中津久美、三木深
音響監督:菅原輝明
アニメーション制作:横浜アニメーションラボ
キャスト:田村睦心(アレン)、飯塚麻結(クレナ)、畠中祐(ドゴラ)、千本木彩花(セシル)、石川英郎(ロダン)、大原さやか(テレシア)、小市眞琴(マッシュ)、杉田智和(バトラー=フォン=グランヴェル)、千葉翔也(ミハイ=グランヴェル)、三宅麻理恵(トマス=グランヴェル)、大塚明夫(ゼノフ)、宮本崇弘(カルネル)
オープニングテーマ:あたらよ「ハク」
エンディングテーマ:花耶「Sanctuary」
©ハム男/アース・スター エンターテイメント/ヘルモード製作委員会
公式サイト:https://hellmode-anime.com
公式X(旧Twitter):https://x.com/hellmode_anime
▼田村睦心 チェキプレゼント▼
田村睦心のサイン入りチェキを3名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。
<X(旧Twitter)からの応募>
リアルサウンド映画部公式Xをフォロー、本記事の投稿、または応募投稿をリポストしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。
<Instagramからの応募>
リアルサウンド公式映画部Instagramをフォロー、本記事の投稿にいいね&コメントしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。
当選者の方には、リアルサウンドXアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※非公開アカウント、DMを解放していないアカウントからの応募は抽選対象外となりますのでご注意ください。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※当該プレゼントは、応募者が第三者へ譲渡しないことが応募・当選の条件となります(転売、オークション・フリマアプリ出品含む)。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合がございます。
<応募締切>
1月23日(金)