ヨルゴス・ランティモス、空音央ら参加の短編集 『ショート・パルス』2026年3月6日公開へ
現代映画を牽引する監督たちによる短編映画5本をひとつに束ねた短編集『ショート・パルス 5つの鼓動』が、2025年3月6日より新宿武蔵野館ほかにて公開されることが決定。あわせてメインビジュアルと各作品の場面写真が公開された。
世界各地から選りすぐられた本企画には、『哀れなるものたち』や新作『ブゴニア』で注目を集めるヨルゴス・ランティモスや、『関心領域』のジョナサン・グレイザー、『幸福なラザロ』のアリーチェ・ロルヴァケルと写真家・アーティストでも知られる『顔たち、ところどころ』のJRに加え、ロカルノ国際映画祭最優秀短編賞を受賞した新鋭・空音央が参加。
集められたのは、ランティモスによる『ニミック NIMIC』、グレイザーによる『ザ・フォール THE FALL』と『ストラスブール1518 STRASBOURG 1518』、ロルヴァケル&JRによる『都市の寓話 An Urban Allegory』、空による『まっすぐな首』、の5本の短編。
空監督の『まっすぐな首』は、首の痛みに苦しむ女性が、夢と現実、過去と現在のあわいをさまよう姿を静かに描いた映像詩で、ロカルノ国際映画祭最優秀短編賞も受賞した話題の一作。ランティモスの『ニミック NIMIC』では、地下鉄での出会いをきっかけに、人生が少しずつ“模倣”されていく恐怖が、不条理かつ美しく展開される。グレイザーによる2作、『ザ・フォール THE FALL』は、フランシスコ・ゴヤの銅版画「理性の眠りは怪物を生む」に着想を得て生まれた、沈黙と仮面に覆われた不穏な世界。言葉のない映像が、観る者の内面に深く入り込む。『ストラスブール 1518 STRASBOURG 1518』は、16世紀に実在した“踊りのペスト”を題材に、世界的ダンサーたちが織りなす身体の狂騒を、パンデミック下の孤立と重ね合わせて描き出す。
そしてロルヴァケルとアーティストJRが手がけた『都市の寓話 An Urban Allegory』は、プラトンの「洞窟の比喩」を現代の都市に重ね、ひとりの少年の“気づき”を繊細に描く意欲作。劇中には、演出家役として映画監督レオス・カラックスも登場する。
公開された各作品の場面写真では、『まっすぐな首』で主演を務める安藤サクラや、『都市の寓話』に出演するカラックスの姿などが切り取られている。
■公開情報
『ショート・パルス 5つの鼓動』
2026年3月6日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次上映予定
提供:JAIHO
配給:グッチーズ・フリースクール
『まっすぐな首』
監督・脚本:空音央
出演:安藤サクラ、北方こだち
撮影:小田香
2025年/日本・中国/11分
『ニミック NIMIC』
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:マット・ディロン、ダフネ・パタキア
脚本:エフティミス・フィリプ、ヨルゴス・ランティモス
撮影:ディエゴ・ガルシア
2019年/ドイツ・アメリカ・イギリス/12分
『ザ・フォール THE FALL』
監督・脚本:ジョナサン・グレイザー
出演:ジェームズ・アダムス、スチュアート・アンダーソン
撮影:トム・デベナム
2020年/イギリス/7分
©BBCFilms & AcademyFilms
『ストラスブール1518 STRASBOURG 1518』
監督・脚本:ジョナサン・グレイザー
出演:アンドレイ・ベレジン、ボティス・セヴァ
撮影:ダリウス・コンジ
2020年/イギリス/10分
©British Broadcasting Corporation and Academy Films 2020. All Rights Reserved
『都市の寓話 An Urban Allegory』
監督・脚本:アリーチェ・ロルヴァケル&JR
撮影:ダリア・ダントニオ
出演:ナイム・エル・カルダウイ、リナ・クードリ、レオス・カラックス
2024年/フランス/21分
©Ad Vitam Films / Social Animals / Arte France Cinéma / 2024