GG賞4部門ノミネート ジャファル・パナヒ新作『IT WAS JUST AN ACCIDENT』2026年公開

 ジャファル・パナヒ監督の新作映画『IT WAS JUST AN ACCIDENT(英題)』が、2026年に日本公開されることが決定した。

 本作は、第78回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した、イラン出身のパナヒ監督の最新作。日本時間12月8日にノミネーションが発表された第83回ゴールデングローブ賞では、作品賞(ドラマ部門)、監督賞、脚本賞、非英語作品賞の4部門にノミネートされた。

 2010年から反政権を理由に禁錮6年の有罪判決を受けていたパナヒ監督。映画制作や海外渡航が20年間禁止されていたが、2023年に海外渡航禁止が解かれ、本作でカンヌ国際映画祭に正式参加し、イラン映画としては28年ぶりにパルムドールを受賞。『チャドルと生きる』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞、『人生タクシー』でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞、そして本作のパルムドール受賞により、世界三大映画祭すべての最高賞を受賞した。各国の映画祭で受賞やノミネートが相次ぐ中、アカデミー賞の国際長編映画賞部門は、映画が製作された国から選出されなければ出品できない規定だったが、フランスとの共同製作により、第98回アカデミー賞国際長編映画賞のフランス代表にも選出された。

 本作は、不当に刑務所に投獄された人々が、復讐を果たそうと試みる姿をユーモアを交えて描いた復讐劇。パナヒ監督自身が2度に渡って投獄された経験と、同房で出会った人々のリアルな声から着想を得て物語へ織り込んだ。

 2025年12月、アメリカで本作のプロモーション活動中だったパナヒ監督は、明確な容疑が開示されないまま、イスラム革命裁判所から突如判決を受けた。内容は「反体制プロパガンダ活動を行った」とする欠席裁判での懲役1年に加え、2年間の渡航禁止、さらに政治・社会団体および派閥への参加禁止という措置だった。ゴールデングローブ賞の授賞式はアメリカ現地時間2026年1月11日に開催される。本作は賞レースにどう絡んでいくのか。

■公開情報
『IT WAS JUST AN ACCIDENT(英題)』
2026年公開
監督・脚本:ジャファル・パナヒ
出演:ワヒド・モバシェリ、マルヤム・アフシャリ、エブラヒム・アジジ、ハディス・パクバテン、マジッド・パナヒ、モハマッド・アリ・エリヤ
配給:セテラ・インターナショナル
協力:ユニフランス
2025年/フランス・イラン・ルクセンブルグ/ペルシャ語/103分/日本語字幕:大西公子/字幕監修:ショーレ・ゴルパリアン
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