一ノ瀬颯、“完璧主義”な姿勢が原動力に 『絶対零度』で沢口靖子から受けた“刺激”
シリーズ第5弾として新章を迎えた、沢口靖子主演の月9ドラマ『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』(フジテレビ系)。情報化社会を背景に、“見えない犯罪”に挑む新チーム・DICT<ディクト>の一員として登場するのが、一ノ瀬颯演じる南方睦郎だ。頭脳派の若手刑事でありながら、どこかマイペースで愛嬌のあるZ世代のインテリ。自身も同世代にあたり、「自分らしさを大切にしたい」と語る一ノ瀬に、長寿シリーズへの参加に感じたプレッシャー、撮影現場での学び、そして理想とする“先輩像”について語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
シリーズの歴史を背負いながら“自分らしさ”を模索
――人気シリーズである『絶対零度』の最新作に参加するプレッシャーはありましたか?
一ノ瀬颯(以下、一ノ瀬):やはりシリーズものとなると、これまでのファンの方々にどう受け止めてもらえるか、というプレッシャーはありました。長く続いてきた作品で、数多くの先輩方が築き上げてこられた歴史があるので、「それを背負うんだ」という意識ももちろんありました。ただ、あまり意識しすぎると新しいものが生まれにくくなってしまうというか、肩の力が入りすぎてしまう気もして。南方というキャラクターは、僕自身が持っている“自分らしさ”の中で表現する部分が大きいので、あえて真面目になりすぎないようにすることを意識しました。作品のテイストやシリーズの流れといった“『絶対零度』らしさ”は、脚本の段階でしっかり受け継がれていると思うので、僕たちは全く別の部署から集まった新しいチームとして、自分たちらしいエッセンスを加えていけたらと思っています。過去作へのリスペクトを持ちながらも、大きく逸脱しすぎない。その絶妙なバランスを大切にしたいと感じました。
――実際に参加されてみて、『絶対零度』のどこに魅力を感じましたか?
一ノ瀬:緊迫感とスピード感です。事件の発生から解決までの展開がとてもスリリングで、体感としてあっという間に時間が過ぎていくんです。それは、シリーズとして大切にしてきた部分なんだろうなと感じました。僕自身も、観る人が引き込まれる緊張感をちゃんと体現できるようになりたいと思っていますし、『絶対零度』はそうしたハラハラドキドキする展開が魅力的な、完成度の高い作品だと思います。
――南方睦郎はいわゆるZ世代的な価値観を持ったキャラクターです。ご自身もZ世代ですが、どんな部分に共感できますか?
一ノ瀬:やっぱり、思ったことを率直に言えるところですね。遠慮せずに意見を伝えられるのはポジティブな強みでもあるし、まさに“今っぽい”人間関係の築き方だと思います。ただその分、受け取り方によっては誤解を招くこともあるのかなと感じます。一方で、ジェネレーションギャップの影響で上の世代からは「少し失礼だな」と思われてしまうこともあるかもしれません。でも彼には、それを包み込めるだけの実力と人柄がある。だからこそ憎めないし、自然と受け入れられているんだと思います。DICT<ディクト>というチームの中で、出自も年齢もバラバラなメンバーが対等に意見を出し合える関係が成立しているのも、彼の存在が大きい気はします。そうしたチームの信頼感を無理なく感じてもらえるように、失礼になりすぎないギリギリのラインを意識しながら演じています。彼の人柄や愛嬌が伝わっていれば嬉しいです。
――ここまでの撮影で印象に残ったエピソードを教えてください。
一ノ瀬:今回、第3話で大学時代の友人・上村を演じたのは松岡広大さんなのですが、初めてお会いしたときから本当に気さくな方で、同い年ということもあってすぐに打ち解けました。共通の知り合いは何人かいたのですが、実際にお会いするのは初めてで。僕のことも知ってくださっていて、お芝居のこともすごくポジティブに捉えてくださっていたのが嬉しかったです。松岡さんは、内側から湧き上がるものを全身で表現されるタイプの俳優さんで、遠くから見ていてもその熱量が伝わってくる。本当に素敵なお芝居をされる方だなと思いました。最初にご一緒した短いワンシーンのあと、メモに連絡先を書いて残してくださって。それがきっかけで仲良くなって、第3話の撮影が終わった頃には一緒にご飯にも行きました(笑)。撮影日数にすればほんの数日なんですけど、本当に「良い仲間ができたな」と感じています。