『ワンダーマン』はMCUの世界を広げる作品に? “謎だらけ”の予告編を徹底解説
こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のアメコミヒーロー映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします!
今回は、先日リリースされ、大きな話題となったディズニープラスのマーベル新ドラマ『ワンダーマン』(2026年1月配信予定)の予告編をみてみましょう。「そうきますか!」みたいなアプローチでファンはみなビックリ!
そもそもワンダーマンとは?
ワンダーマンとは、超人的なパワーとスピードを持ち、ワンダーの「W」をあしらったコスチュームを着ているヒーローです。その正体はサイモン・ウィリアムズという男性。1964年の『アベンジャーズ』9号誌でデビューしました。
そう、割とアベンジャーズの初期のコミックから登場しています。この号の表紙で大きくフィーチャーされており、彼の登場にソー、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ワスプ、アントマン(ジャイアントマン)がビックリしています。そして彼の背景にはバロン・ジモ、エンチャントレス、スカージという3人のヴィランが控えています。この構図からもわかるように、ワンダーマンは、最初はヴィラン側、つまりアベンジャーズの敵としてデビューしました。
コミックの設定では大企業の御曹司でもあったサイモン・ウィリアムズは役者をしていますが、あまり売れないので俳優をやめ、家業を継ぎます。しかし、アイアンマンことトニー・スタークの会社とライバル関係にあったため、これもうまくいかず。それでトニー・スタークを恨んでいたところ、バロン・ジモらヴィランたちに目をつけられます。バロン・ジモはイオンエネルギーをサイモンに注入し、彼はワンダーマンという悪の超人に。そしてアベンジャーズと戦います。その後、いろいろな展開があるのですが、ヒーローとして改心しアベンジャーズのメンバーになります。ここまで頭に入れておいてください。
“ヒーロー”ではなく“ヒーロー映画”を描いた業界ものに?
まずこの予告でビックリしたのは「『ワンダーマン』というヒーロー映画がリメイクされることになり、駆け出し俳優のサイモン・ウィリアムズがそのオーディションを受ける」という構造であることです。本作はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の世界観の中で展開される(と思われる。理由後述)わけですが、要は「ヒーローのいる世界においてヒーロー映画が作られている」ということです。ただ、MCUではキャプテン・アメリカの半生を描いた『ロジャース』というブロードウェイ・ミュージカルもあったりするのでこれ自体はありえるんですが、「過去にワンダーマンというヒーローが本当にいて、彼をモデルにした映画がかつて作られたことがある」のか、「この世界においてワンダーマンは全くのフィクションのキャラ」なのかはまだわかりません。
面白いのは、コミックでは「元役者のサイモン・ウィリアムズがワンダーマンになる」わけですが、このドラマでは「駆け出し役者のサイモン・ウィリアムズが映画『ワンダーマン』のオーディションを受ける」のです。そしてこの予告編の中で、過去の『ワンダーマン』のポスターやビジュアルが出ますが、ワンダーマンは白人ですよね。『アベンジャーズ』のコミックでのワンダーマンは白人のキャラでした。だから黒人のサイモン・ウィリアムズがこの役をやりたい!と言った時にマネージャーがビックリするわけです。