水上恒司、“時代にコミットしない”独自の個性 「自分にしかできない使命を果たさなければ」

 水上恒司が主演を務めるドラマプレミア23『シナントロープ』(テレ東系)が、10月6日から放送されている。本作は、街の小さなバーガーショップ“シナントロープ”を舞台に、複雑に絡み合う人間模様のなかで謎が謎を呼ぶ男女8人の青春群像ミステリー。水上をはじめ、山田杏奈や坂東龍汰ら時代を牽引する20代の役者陣がそろっていることで、放送前から話題を集めている。

 そんな本作で主演を務める水上に、撮影の様子や作品にかける想い、憧れの男性像などを語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「僕の作品ではなく、みんなの作品という意識」

ーー撮影の雰囲気はいかがですか?

水上恒司(以下、水上):現場の感触と作品のクオリティというのは、往々にしてイコールにならないとは思いつつ、みんなすごく努力しているので、何かしらの形で報われたらいいなと思います。とくに、スタッフさんがとにかく頑張ってくれているので。その努力を無駄にしないように、僕たちも頑張らないといけないなと思っています。

ーーメインキャストは全員が20代。若さゆえのパワーも感じます。

水上:せっかくこのドラマでめぐり会えたわけですから、いろんな意味でこれからを担っていけるような8人にならなければいけないなと思います。それぞれの現場で、引っ張っていけるような“何か”を持っている役者たちがそろっていると思うので。

ーー事前に脚本を拝見しましたが、一人ひとりにスポットが当たる作品になっていますよね。

水上:そうですね。群像劇って、「こんな役?」ってなることもあると思うんです。まあ、それに腐ることなく、健気に向き合い続けた人間が生き残るんだと思うんですけど。『シナントロープ』には、それがないですよね。「良くも悪くも、どっちに転ぶかは役者次第だ」と思えるような下準備が整っているので、そのチャンスを活かせるように取り組んでいきたいと思います。

ーー今回は座長というポジションになりますが、何か意識していることはありますか?

水上:座長という肩書きですけど、僕の作品ではなく、みんなの作品という意識でいます。ただ、座長として引っ張っていかなければならない部分もあるので、そのあたりの自覚は持ちつつ。先ほどもお話ししたように、主演だけが目立つ感じの群像劇ではないことがすごく嬉しいんですよね。それぞれにとって、何かしらの意味を持つ作品になっていくんだろうなと思えるので。知名度とかそういうのではなく、みんなが人間的な広がりを見せられる作品にするのが、座長として目指すところです。

ーー都成剣之介を演じる上での難しさはありますか?

水上:彼はよくしゃべるんですよね。なので、まずは“なぜよくしゃべるのか”を紐解くところから始めました。

ーーなるほど。

水上:いわゆる“主人公感”がないところが好きなんですよね。僕が名作だと思う作品って、どのキャラクターも愛されるというか。全員に感情移入できるものが多いんです。主人公のための脇として存在しているわけじゃなく、みんなちゃんと愛されて生き生きしている感じで。なので、このドラマはすごく自分が理想とする作品に近いんです。その理想にもっと近づけるように頑張って演じていきたいと思っています。

ーー2025年の下半期は、さまざまな作品への出演が続いていますよね。

水上:これだけ次々にいろいろな作品に出演させていただけている状況はありがたいと思いつつ、「ちょっとずれているな」と感じる部分もあります。

ーーどういうことでしょう?

水上:僕、何がしたいかというと“芝居”がしたいんですよね。でも、今のスケジューリングって撮影のことしか考えていなくて。公開のこととかを考えずに、詰め込んでしまっているというか。

ーーなるほど。

水上:恵まれている環境にいさせていただいているからこそ、一つひとつの作品との向き合い方を改めて考えていかなければならないなと思います。それが、「お前に任せたい」と言ってくれた人への孝行だと思うので。

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