梅田修一朗×石川由依が考える“愛”と“AI” 『永久のユウグレ』共演で深まった関係性
P.A.WORKSが手がけるオリジナル本格ラブストーリー『永久のユウグレ』は、200年の時を超えた愛と、新しい時代の人間関係を描いた意欲作だ。コールドスリープから目覚めた男子高校生・姫神アキラが見た未来は、戦争で荒廃し、統一機構OWELに管理された世界だった。そんな彼の前に現れたのは、最愛の恋人・トワサに瓜二つのアンドロイド・ユウグレ。彼女はアキラに「結婚してください」と求婚する。
アンドロイドでありながら人間らしさを持つユウグレと、トワサへの一途な想いを抱き続けるアキラ。二人の関係性は、観る者に「愛」の多様性について深く考えさせる。そんなユウグレ役の石川由依とアキラ役の梅田修一朗に、多彩な要素が織り込まれた本作の魅力、キャラクターへのアプローチ、そして初共演への思いについて話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
一途な想いと、多様な愛が交錯する物語
――『永久のユウグレ』は、ラブストーリーだけでなくSFにアクション……と、様々な要素が詰まった作品です。初めて台本を読んだとき、どんな部分に惹かれましたか?
石川由依(以下、石川):いろんな愛の形が描かれるところが一番印象的でした。ユウグレは出会った当初からアキラに「結婚してください」と迫るんですが、アンドロイドということもあって、第1話の時点では愛情や相手の気持ちを深く考えている描写はないんです。ひたすら「結婚」というものにこだわっているといいますか。でも、ユウグレ自身も愛の形を探していく中で、いろんな愛の形があることを知っていく……という部分が素敵だなと。
――作中に登場する「エルシー」という制度も印象的でした。従来の結婚とは異なる新しいパートナーシップの形として描かれていますが、この設定についてはいかがでしたか?
石川:すごく興味深い設定だなと思いました。固定観念にとらわれずに、仲間として一緒に生きていく人たちを探していくという考え方。確かに新しいけれど、現代でも多様な家族の形や関係性が生まれているし、そう考えるとすごく自然で納得できる制度だなって。私の中でも新鮮で、「もしかするとこういう未来もあり得るのかもしれない」と思えました。
梅田修一朗(以下、梅田):エルシー制度も含めて、この作品は今の僕たちが過ごしている常識の延長線上にある話だなと思います。「こういう新しい関係性もありそうだよね」というアイデアがいろんなところにちりばめられていて面白いなと。SFの側面としては、ユウグレの戦闘シーンやアンドロイドとしてのミステリアスなところがすごく魅力的です。お話としては、アキラがトワサのことを本当に一途に思い続けているのが、キャラクターとして頼もしくて。すごいなと思いながら演じていました。
――確かに、この作品は「オリジナル本格ラブストーリー」と銘打たれていますが、壮大なSF世界観の中でも、人と人との関係性が丁寧に描かれている印象を受けました。
梅田:だからこそ、心の中に温かさが残る作品ですよね。しかも意外と家の中や村の中といった、身近な話をしているんですよね(笑)。世界の現実として、残酷で心に刺さるようなところもある。
石川:スケールの大きな設定なのに、実際に描かれるのは本当に身近な関係性の話なんですよね。
――それぞれの役柄について伺います。まず石川さん、ユウグレは「結婚してください」と積極的にアプローチする一方で、クールでミステリアスな部分も持つキャラクターですが、演じる上でどのような点を意識されましたか?
石川:ユウグレはアンドロイドとはいえ、高性能で、一見すると普通の人と見分けがつかない。なので、あまりアンドロイド感は強く意識しませんでした。人間としてキャラクター作りをしていきつつ、ふとしたときにすごく冷静な部分があったり、俯瞰で物事を見ていたり。その差は意識しました。人間らしさもあるけれど、どこかちょっと噛み合わない部分があるというか。自分の中ではフィルターを一枚置くような気持ちで演じました。
――梅田さんは200年の時を超えて目覚めたアキラを演じられていますが、どのような点を大切にされましたか?
梅田:監督からのディレクションでも、ユウグレやアモルに振り回されてほしいと言われていたので、いろんなアプローチを受ける中で、年相応のドギマギする感じを等身大に表現できればと思っていました。子どもだから、大人だからということではなくて、アキラだから持てる強さがあるんです。そこはいろんな人との会話の中でもにじみ出る部分で、演じる上で大事にしたかった要素でした。
石川:アキラのトワサへの想いは本当に一貫していてすごいよね。
梅田:魅力的なキャラたちにアプローチされて、心が揺れることもあるんですが......。最終的には「でもトワサがいるし......」ってなっちゃう(笑)。あと、アキラは一見体育会系に見えますが、実はすごく頭の回転が速いキャラクターでもあるんです。その意外性も、観ている方に楽しんでもらえると思います。
――この作品には様々なタイプのアンドロイドも登場しますが、ユウグレというキャラクターの独自性はどのようなところにあると思われますか?
梅田:ゆっしー(石川由依)さんが表現するアンドロイド像が本当に唯一無二で、「ゆっしーさん以外考えられないのでは?」と思っています。もちろん言葉で説明できる部分もあるんですが、立ち振る舞いや戦闘シーンでの人間とは違う冷たさなど、言葉では表現しきれない魅力があって。そのアンドロイドらしさを、ぜひ視聴者の皆さんにも感じてもらいたいです。
石川:ありがとうございます。ユウグレは他のアンドロイドとは少し違う存在として描かれているので、その特別感は意識して演じました。