坂本太郎の“激変”をどう再現？ 　実写版『SAKAMOTO DAYS』成功を左右する2つのポイント

　鈴木祐斗が『週刊少年ジャンプ』（集英社）で連載中のマンガ『SAKAMOTO DAYS』の実写映画化が決定。公開日は2026年のGWを予定しているという。

　近年ではさまざまな有名マンガの実写化が成功を果たしているが、同作はどのような結果になるのか……。今回は原作ファンとしての目線から“実写化で重要なポイント”を解説していきたい。

　『SAKAMOTO DAYS』の主人公・坂本太郎は、かつて伝説の殺し屋として名を馳せていた人物。一般人との恋をきっかけに裏社会から足を洗い、平和な家庭を築いていたが、そこに凶悪な刺客が次々と襲い掛かる。そして坂本は仲間たちと共に、幸せな日常を守るための戦いを繰り広げていく。

　ジャンルとしてはコメディ風味のバトルマンガで、その見どころは何といってもアクションシーンの迫力にある。単純な拳と拳のぶつかり合いではなく、さまざまな場所の地形やギミックなどを利用しながら登場人物たちが戦闘を行うため、ド派手な絵面となっているのだ。

　たとえば原作序盤で描かれる遊園地「シュガーパーク」のエピソードでは、ジェットコースター上でのスピード感あふれる戦闘に始まり、ヒーローショーやお化け屋敷、観覧車などを使ったアクションが描かれていた。

　ほかにも電車内のつり革を武器にするなど、その場にある物を使いこなしたダイナミックな戦闘描写が随所で登場。同作の実写化が成功するかどうかは、こうした映像表現の再現度にかかっているといっても過言ではないだろう。

　最近の実写化作品でいえば、2024年4月に配信されたNetflix映画『シティーハンター』はかなり方向性が近い。コスプレ会場での戦闘では、鈴木亮平演じる冴羽獠がその場のギミックやコスプレ衣装などを使いこなし、華々しいアクションを披露していた。ある意味実写でこそ画面映えする表現なので、『SAKAMOTO DAYS』にも期待が高まってしまう。

坂本太郎の“一人二役”的な表現に期待

　もう1つの実写化のポイントは、主人公・坂本の“一人二役”的な表現だろう。普段の坂本は幸せ太りで全身がたるんでおり、顔面に関しては輪郭がわからないほどたっぷりと贅肉が付いている。その一方で激しく運動すると、伝説の殺し屋だった頃のスリムな肉体へと変貌するという設定だ。

　ほとんど別人のような見た目になるので、実写化にあたっては特殊メイクかCGで再現することが必須となるはず。公式X（旧Twitter）ではすでに「実写版ビジュアル」が公開されているが、それを見るかぎり、見た目の再現にはかなり力が入っていそうだ。

　また、ひと昔前とは違って、最近の実写化作品ではそもそもキャラクターと近い見た目の俳優がキャスティングされることが多くなっている印象。たとえば今年7月公開の映画『ババンババンバンバンパイア』では、メインキャラの森蘭丸（吉沢亮）、李仁（板垣李光人）、葵（原菜乃華）がそれぞれ原作のビジュアルに近く、原作ファンから絶賛を浴びていた。

　そして『ゴールデンカムイ』シリーズや映画『はたらく細胞』も、キャスティングが好評を呼んだ実写化作品。しかも『ゴールデンカムイ』鶴見中尉役・玉木宏の禍々しい特殊メイク、『はたらく細胞』白血球役・佐藤健の白塗り姿など、見た目の作り込みも徹底していた。

　『SAKAMOTO DAYS』も同じレベルで見た目を再現できれば、原作ファンから受け入れられるのではないだろうか。さらにどっしり構えていたかと思えば機敏に動いて相手を翻弄する……という坂本の“静と動”を表現できるアクション特化の俳優であれば、言うことなしだ。

　まだ公開されている情報は少ないものの、『週刊少年ジャンプ』の人気連載の実写化ということで、相当力が入った作品になるはず。実写映画『SAKAMOTO DAYS』の続報に期待しよう。

■公開情報
『SAKAMOTO DAYS』
2026年GW公開
原作：鈴木祐斗『SAKAMOTO DAYS』（集英社『週刊少年ジャンプ』連載）
製作幹事：エイベックス・ピクチャーズ
制作プロダクション： CREDEUS
配給：東宝
©︎鈴木祐斗／集英社 ©︎2026 映画「SAKAMOTO DAYS」製作委員会
公式サイト：skmtdays-movie.jp
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