坂本悠花里、長編劇映画デビュー作『白の花実』12月26日公開へ 美絽、池端杏慈らが出演

 坂本悠花里監督の初の長編作品『白の花実』12月26日に全国公開されることが決定した。

 本作は、周囲に馴染めず転校を繰り返してきた主人公・杏菜が、転校先の全寮制女子校で出会った、美しく完璧なルームメイト・莉花の突然の死をきっかけに、残された日記と、莉
花の“魂”に静かに侵食され、心を揺るがせていく姿を耽美かつ繊細に描いた物語。

 監督の坂本は、東京藝術大学大学院映画専攻にて編集を学び、2019年公開の短編オムニバス映画『21世紀の女の子』の一篇『reborn』をを手がけ、中編『レイのために』が第20回TAMA NEW WAVEのコンペティション部門、大阪アジアン映画祭2020のインディーフォーラム部門、大阪アジアン映画祭のオンライン座などで入選・上映された。さらに2022年に制作した短編『木が呼んでいる』も藝大アートフェス2022でアート・ルネッサンス賞を受賞している。

 また、本作は、文化庁委託事業『ndjc:若手映画作家育成プロジェクト』の「長編映画の企画・脚本開発サポート」にて開発したのち、香港国際映画祭併設の企画マーケット、The Hong Kong – Asia Film Financing Forum (HAF)にて「ウディネ フォーカスアジア賞/Udine Focus Asia Award」、「HAF Goes to Cannes Award」を受賞し、ウディネ・ファーイースト映画祭やカンヌ国際映画祭に招待されるなど、作品の完成前から海外でも注目を集めてきた。

 主人公・杏菜を演じたのは、CMや多彩なファッションブランドの広告、雑誌のモデルとして活躍する美絽。死んだ莉花の記憶をめぐって揺れる栞を、結婚情報誌『ゼクシィ』の15代目CMガールに就任した池端杏慈、そしてカリスマ的存在である莉花を、現在放送中の『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系)にも出演している蒼戸虹子がそれぞれ演じた。さらに、少女たちを取り巻く大人たちとして共演には、門脇麦、河井青葉、伊藤歩、吉原光夫らが名を連ねた。

 周囲に馴染めず、転校を繰り返してきた少女・杏菜(美絽)。たどり着いたのは、静かな森の奥にある全寮制の女子校。その寄宿舎で彼女を迎えたルームメイトは、美しく、完璧で、誰からも好かれる少女・莉花(蒼戸虹子)だった。しかし間もなく、莉花は屋上から身を投げ、自ら命を絶った。残されたのは、一冊の日記。そこには、笑顔の裏に潜んでいた苦悩、怒り、痛み、そして、幼なじみ・栞(池端杏慈)との記憶や、言葉にできなかった“ある想い”が綴られていた。杏菜が日記を読み進めるうちに、青白く揺れる鬼火のような“魂”が現れる。それはまるで、莉花の魂そのもののように、静かに、杏菜の中へと入り込んでいく。一方の栞は、杏菜を「変わった子」だと遠ざけていた。だが、杏菜を通じて莉花の魂に導かれるように、次第にふたりは歩み寄っていく。「完璧な少女は、なぜ飛び降りたのか?」その問いはやがて、生き残った少女たちの心に深く染みわたり、それぞれの“わたし”が、静かに揺らぎはじめる。

コメント

坂本悠花里(監督)

昨年の今頃、キャストとワークショップやダンスの練習をしていました。撮影はあっという間でしたが、日々新しい発見と確かな充実感がありました。『白の花実』を作りながら、私は私自身を持て余していた時期があったと思い出していました。作り終えた今、自分というものはずっと持て余したままで良いものなのかもしれないと思い始めています。この映画とともに歩いてくれたキャスト・スタッフに、心から感謝を伝えたいです。そして、これから観ていただけることを心待ちにしています。

美絽(杏菜役)

杏菜を通して、表向きの自分と本当の自分との間にあるギャップに改めて気付かされました。揺れ動く少女たちの葛藤や苦悩には、きっと誰しも共感できる部分があるのではないでしょうか。
壮大な自然や美しい歴史的建造物も、物語と共に楽しんでいただけたら嬉しいです。

池端杏慈(栞役)

穂乃川栞という役に出会えたこと、心から感謝しています。オーディションで決まったときは本当に嬉しかったです!親友の死に喪失感を抱く栞の感情を、自分なりに丁寧に噛み砕いて向き合うことができました。
生と死に目を向ける彼女たちの繊細な姿が丁寧に描かれている作品です。劇中の衣装がすてきなのでそこにも注目してほしいです。たくさんの人にこの作品が届きますように。

蒼戸虹子(莉花役)

『白の花実』は私にとって初めての映画です。
わからないことだらけの中で、莉花と同じように揺れたり、悩んだりしながら、坂本監督とたくさん話をして、莉花と自分を少しずつ重ねていきました。
ダンスレッスン、ワークショップ、そして撮影を通して、美絽さん、池端さん、スタッフキャストの皆さんと過ごした時間は、今でも私の中で特別な記憶として残っています。
作品の中から、揺れ動く、様々な感情をたくさん感じていただけたら嬉しいです。

■公開情報
『白の花実』
12月26日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
出演:美絽、池端杏慈、蒼戸虹子、河井青葉、岩瀬亮、山村崇子、伊藤歩、吉原光夫、門脇麦
監督・脚本・編集:坂本悠花里
プロデューサー:山本晃久
製作・配給:ビターズ・エンド
制作プロダクション:キアロスクロ
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
2025年/日本/カラー/DCP/5.1ch/ビスタ/110分/英題:White Flowers and Fruits
公式サイト:https://www.bitters.co.jp/kajitsu/
公式X(旧Twitter):@shirono_kajitsu

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