『初恋DOGs』成田凌の柔和なポーカーフェイスに惑わされる 思わず涙の“将軍”の名演も

「なんで嫌がるの? 誰かを好きになる、それって素敵」

 屈託なく、さらりとこんなことを言えてしまえるソハ(ナ・イヌ)の苦悩も垣間見えた『初恋DOGs』(TBS系)第3話。

 “将軍”が何者かに連れ去られ、その追跡をする中で快(成田凌)とソハの間に妙な絆が芽生え始める。闇バイトで指示され“将軍”を誘拐しようとする犯人らに真っ向から立ち向かい傷を負うソハの様子に、快や愛子(清原果耶)の中で彼への疑いが打ち消されていき、距離が縮まる。

 そんな中、なんだか切ないフラグがすでに立っているのが、愛子の初恋相手が快だと知っているソハが、彼に対して「(自分のことはいいから)愛子さんには感謝しろよ」などと仲を取り持つような発言をしているところだ。

 愛子の初恋エピソードは彼女の中だけのものかに思われたが、快の中でも捨て犬“キング”との思い出は鮮明に生き続けていることがわかった。“キング”を近所の動物病院に引き取ってもらったことこそが彼を獣医の道に進もうと決意させたようだ。快にとってもかなり思い出深いはずの記憶の中の女の子が目の前の自分だと、案外早くに打ち明けることになった愛子。しかし、その告白に対してあまりに淡白で拍子抜けしてしまうほどあっさりしすぎている快の心境は、本当に読みづらい。

 優香(深田恭子)が出会ったばかりの頃の大学生の快には喜怒哀楽がしっかりとあったようだが、今は努めて自身のペースを崩さぬように、柔和なポーカーフェイスの下に本音を仕舞い込んでいるように見える。優香がしみじみと話す「いろいろあったからね」が意味深でなんだか気になる。

 そして、韓国屈指の大企業の御曹司で財閥三世の3兄弟の中で最も優秀で、将来を有望視されていた中、今は系列会社の閑職に収まっているというソハ。彼と快は「昔とは変わってしまった(変わらざるをえなかった)」という点で、実はどこか通ずるところがあるのかもしれない。

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