『BADBOYS』がヒット、『WIND BREAKER』も実写化 「ヤンキー映画にハズレなし」の理由

 ヤンキー映画がヒットしやすい理由の一つは、原作ファンを取り込みやすいことに加え、「不良=カッコいい=旬のイケメンタレント起用=女性も映画館に足を運ぶ」という黄金の方程式があることが挙げられる。主演に人気若手俳優やアイドルを起用することで、彼らの魅力がスクリーンに映え、男性ファンだけでなく女性ファンの動員につながる。この流れは近年のヤンキー映画の成功例からも明らかである。

JO1 豆原一成、ME:I MOMONAら“プデュ”出身者たちの大躍進 演技でも見せる表現の振り幅

JO1やINIが誕生した日本最大級のサバイバルオーディション番組の初のガールズ版『PRODUCE 101 JAPAN THE G…

 『BADBOYS -THE MOVIE-』の豆原もまさに「カッコいい不良」のイメージを体現しており、そのルックスと演技力が女性ファンの心をつかんでいる。さらに、登場人物たちの友情、葛藤、切なさを繊細に描くことで、ヤンキー映画に馴染みのない層でも感情移入しやすいドラマに仕上がっている点も特徴だ。

『BADBOYS -THE MOVIE-』©︎田中宏・少年画報社/映画「BADBOYS」製作委員会

 さらに、ヤンキー映画の構造は、『三国志』や「戦国時代」のように複数勢力がせめぎ合うパターンになりやすく、それぞれにカリスマリーダーや知略派、武闘派が存在し、勢力図が日々変化する緊迫感が物語の面白さを倍増させている。それでいて、暴走族同士の抗争も血なまぐさい殺人事件にはほとんど発展せず、拳と心のぶつかり合いに留まることがほとんど。そのため、観客も「『ハリー・ポッター』のようなファンタジー」として気楽に楽しめるのではないだろうか。

『WIND BREAKER』実写化における“3つのポイント” 水上恒司に“桜遥”の立体化が託される

にいさとるによる漫画『WIND BREAKER』が、12月に実写映画として全国公開される。特報映像の解禁とあわせてメインキャスト…

 こうしてみると、「熱い友情」「群雄割拠の高揚感」「大人に反発する青春の象徴」を描くヤンキー映画はまさに、ヒットしやすい「王道ジャンル」と言えるだろう。『BADBOYS -THE MOVIE-』や『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』も、その伝統を継ぐ新たな傑作として記憶されるはずだ。

関連記事