『19番目のカルテ』命を全肯定する松本潤の体温 人間の顔をした医療がかける“魔法”
仲里依紗演じる黒岩百々が訴える不定愁訴。痛みは主観的な性質を持つ。どれだけ「つらい」と伝えても、客観的に見えなければなかったことにされてしまう。仕事に追われ、少々の不調はやり過ごして働く百々は倒れたら終わりだ。そんな仕事面での緊張感が百々の心身をむしばんでいた。
心が弱って、助けてほしいと思うとき。そんなとき多くの場合、体も限界を迎えていて、声にならない叫びを発している。最後の命綱が医者だ。頼っていいんだよ、と言ってくれたら、それだけで半分くらい治ったようなもの。病んでいるのは心も同じだ。
「あなたの痛みは本物です」
徳重のやり方は問診だが、彼の中にある探究心、医療への情熱、積み重ねた経験と努力によって、まるでAIのように、エビデンスに基づいて正確な診断をくだす。そこに冷たさを感じないのは、痛みに寄り添う姿勢と、目の前の相手をいつくしむ心があるから。命を全肯定することから、すべてが始まっていると感じた。
どんな病気も一瞬で見抜いて治す、そんな「魔法みたいなこと」はできないと徳重は言う。それでも、たとえできなくても、彼ならどんな病気も見つけ出し、治してくれると期待してしまう。徳重自身、その思いに応えようとあらゆる手を尽くすだろう。それによって救われるものがあるのだ。
『コウノドリ』(TBS系)の坪田文が脚本を手がける『19番目のカルテ』は、きれいごとで済まされない医療の現実を活写しながら、観るものに問いかける。人間の顔をした医療と、ヒューマンタッチのぬくもりを通して。
富士屋カツヒトによる連載漫画『19番目のカルテ 徳重晃の問診』を原作に、坪田文が脚本を手掛けるヒューマン医療エンターテインメント。松本潤がキャリア30年目にして初となる医師役に挑む。
■放送情報
日曜劇場『19番目のカルテ』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:松本潤、小芝風花、新田真剣佑、清水尋也、岡崎体育、池谷のぶえ、本多力、松井遥南、ファーストサマーウイカ、津田寛治、池田成志、生瀬勝久、木村佳乃、田中泯
原作:富士屋カツヒト『19番目のカルテ 徳重晃の問診』(ゼノンコミックス/コアミックス)
脚本:坪田文
プロデューサー:岩崎愛奈
企画:益田千愛
協力プロデューサー:相羽めぐみ
演出:青山貴洋、棚澤孝義、泉正英
編成:吉藤芽衣、髙田脩
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