『初恋DOGs』に漂う“韓ドラ”的な質感と清原果耶らの化学反応 愛犬たちの名演にも注目

 TBS系火曜ドラマ『初恋DOGs』が、7月1日22時よりスタートする。先日行われた制作発表の和気あいあいとした空気感が“良作”を予感させたが、第1話試写を観て期待を上回っていく完成度に、「なるほどこう来たか」と思わず笑みがこぼれてしまった。

 主要キャストには、清原果耶、成田凌、そして日本ドラマ初出演となる韓国出身のナ・イヌ。愛犬同士の一目ぼれから始まる、こじらせた大人たちによる国を越えたラブストーリーで、「これぞ火曜ドラマ」が詰まった王道の恋愛ドラマだ。

 同枠での韓国俳優の起用といえば、二階堂ふみ主演『Eye Love You』(TBS系)のチェ・ジョンヒョプが記憶に新しいが、本作はキャスティングのみならず、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』『愛の不時着』など、世界的ヒット作を生み出した韓国の制作会社STUDIO DRAGONとTBSによる共同制作。映像、音楽、構成すべてにおいて“THE 韓国ドラマ”の美学が貫かれており、冒頭から「これこれこれ!」と気分を高めてくれる。

 その映像美は、まさに韓国ドラマファンが愛してやまない“あの質感”。韓国ドラマの定番を踏襲しながらも、日本の視聴者にも自然に受け入れられる絶妙なバランスを保っており、観ていてとても心地いい。

 主演を務める清原がNHK連続テレビ小説『あさが来た』(2015年度後期)で俳優デビューしたのは、わずか13歳の頃。以来、『ちはやふる -結び-』、『俺の話は長い』(日本テレビ系)、『碁盤斬り』での妹キャラや娘役、『透明なゆりかご』(NHK総合)の看護師見習い役、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』(2021年度前期)の気象予報士を目指す女性役、直近の主演作『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)での大学生役など、主に学生や新人役で高い評価を得てきた。

 そんな清原が今回演じるのは、離婚訴訟を主に扱う弁護士・花村愛子。勝手ながら、13歳当時から清原をいち視聴者として観てきた身としては、キレキレの敏腕弁護士に扮する姿は感慨深く、また新鮮でもある。第1話で描かれる法廷シーンはわずかだが、清原自身が番組公式サイトのインタビューで専門用語の難しさを語っているだけに、これから見られるであろう本格的な弁護士姿に注目したい。

 愛子の愛犬・サクラが恋に落ちるのが、白崎快の愛犬・将軍。成田演じる飼い主の快は動物病院の院長で、どこか掴みどころがなく、実は周りに人を寄せ付けないキャラクターだ。

 成田と清原は、2021年の映画『まともじゃないのは君も一緒』で共演済み。だが、同作では成田が予備校講師、清原が予備校生という関係性で、恋愛要素はありながらも決して“恋愛もの”には括れない作品だった。一方、本作は対等な大人同士のラブストーリー。息の合った2人の恋愛模様がどう描かれるのか、第1話ではその片鱗がチラリと見えるだけに、これからの展開から目が離せない。

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