アニメシリーズ 『べらぼうな笑い 黄表紙・江戸の奇想天外物語！』が、NHK総合にて7月5日より放送されることが決定した。

　本作は、現在放送中のNHK大河ドラマ『べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～』で話題の黄表紙 その魅力をアニメで描くシリーズ作品。黄表紙は江戸時代中期に大流行した、大人向けの絵入り本。世相や風俗などにヒントを得ながらも物語の多くは奇想天外で笑いが満載となっており、30年の間に2000種類以上が出版された。絵と文字をミックスしたエンタメの黄表紙は、現代のマンガ雑誌の原点とも考えられている。

　『べらぼう』にも登場した作品を中心に、その驚きと楽しさに満ちた魅力を5分のシリーズとして展開。挿絵を動かすアニメと、一人で何役も演じた関智一、水樹奈々の声の魅力で、視聴者を時代を超えた笑いの物語に連れて行く。

　『べらぼう』にも登場した『金々先生栄花夢』（作画：恋川春町、版元：鱗形屋孫兵衛）、『無題記』（作画：恋川春町、版元：未詳（蔦屋重三郎とも））、『御存商売物』（作画：北尾政演（山東京伝）、版元：鶴屋喜右衛門）、『江戸生艶気樺焼』（作：山東京伝、画：北尾政演、版元：蔦屋重三郎） の4作品が放送される。

コメント

関智一（奥村屋源六役）

いまと同じ発想の人たちが江戸時代にもいたんだと思うと感動します。たとえば、未来の江戸という設定の黄表紙（『無題記』）。手塚治虫さんはマンガで未来の物語を描きましたが、江戸時代にも未来を描く人がいたことを知り、鳥肌が立ちました。各作品が生まれるエピソードを大河ドラマで知っていると、さらに楽しめますので、ドラマと合わせて味わってほしいです。なお、大河ドラマでは水樹奈々さんと同じ場面での共演がなかなかないのですが、この番組で共演できてうれしいです。

水樹奈々（智恵内子役）

いままで演じたことのないタイプの個性的なキャラクターが次々と出てくるので、収録はとても新鮮な体験でした。でも、物語の題材自体は身近で感情移入しやすく、楽しみながら収録できました。挿絵が本当に素晴らしく、見ているだけで楽しい気持ちになります。特に『江戸生艶気樺焼』。そんなばかな、という話の連続で笑ってしまいました。江戸時代の人たちが気軽に黄表紙を楽しんだように、この番組も気軽に楽しんでいただければうれしいです。

村山淳（NHK エデュケーショナル チーフ・プロデューサー）

「たたかう蔦屋重三郎 いざ！三本勝負」（2025年2月BS／BSP4K）という特集番組を制作したときに、初めて黄表紙を知りました。ばかばかしくて、笑えて、奇想天外で。江戸時代の人たちのクリエイティビティに脱帽でした。そのすばらしさを、もっと多くの方に伝えることはできないかと思っていたとき、大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」のチーフ・プロデューサーとブレストする機会がありました。そこから、黄表紙の面白さを、アニメで描く今回の企画が生まれました。関 智一さん・水樹奈々さんにご出演いただき、大河ドラマともいい形でコラボすることができました。この番組も大河ドラマも、どちらもお楽しみいただけたらうれしいです。

■放送情報
『べらぼうな笑い 黄表紙・江戸の奇想天外物語！』
『金々先生栄花夢（きんきんせんせい えいがのゆめ）』
NHK総合にて、7月5日（土）22:55〜放送
出版：安永4年（1775年）
作画：恋川春町
版元：鱗形屋孫兵衛 　

『無題記（むだいき）』
NHK総合にて、7月6日（日）16:29〜放送
出版：安永8年（1779年）または天明元年（1781年）とも
作画：恋川春町
版元：未詳（蔦屋重三郎とも）

『御存商売物（ごぞんじのしょうばいもの）』
NHK総合にて、7月6日（日）23:55〜放送
出版：天明2年（1782年）
作画：北尾政演（山東京伝）
版元：鶴屋喜右衛門

『江戸生艶気樺焼（えどうまれうわきのかばやき）』　
放送日未定
出版：天明5年（1785年）
作：山東京伝
画：北尾政演
版元：蔦屋重三郎

声の出演：関智一、水樹奈々
写真提供＝NHK
https://www.nhk.jp/p/ts/JPMWZW41WZ/