『虎に翼』『ちむどんどん』など朝ドラが描いてきた新聞記者像 “東海林”津田健次郎にも注目

 やりがいを感じていた教師の仕事に疑問を感じて辞職し、自分の本当の気持ちを理解し、寄り添って背中を押してくれていた夫の次郎(中島歩)は亡くなってしまった。

『あんぱん』津田健次郎&倉悠貴が演じるのはどんなキャラ? 役どころと起用理由を紹介

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 NHK連続テレビ小説『あんぱん』第13週では、主人公・のぶ(今田美桜)にとって、辛い展開が続く。しかし、ある人のアドバイスにより、のぶは一念発起し、高倍率の採用試験を突破して高知新報の新聞記者になった。のぶにそのきっかけとなる一言をくれたのが、津田健次郎演じる、高知新報の記者・東海林明だ。

 近年の朝ドラでは、主人公の人生に大きな影響を与える記者が多く登場する。その中でも第一印象が最悪だったのが『ブギウギ』(2023年度後期)の三流ゴシップ雑誌の芸能記者・鮫島(みのすけ)。スズ子(趣里)を口車にのせ、ちょっとでも自分の望んだ通りの答えを引き出せれば、虚偽を交えながら記事にしたり、喫茶店にいたスズ子とアユミ(吉柳咲良)を隠し撮りして、「福来スズ子 対 水城アユミ」というセンセーションな見出しを全面に出したりと、雑誌が売れるためなら手段を選ばない人間だった。

 しかし、スズ子には思い入れがあったようで、スズ子の歌手引退会見で「寂しくなるな」と心境を吐露。「スズ子の曲を聴きたい」と頼んだが今までの言動からか拒まれ、周りから笑われてしまっていた。

高橋努、『虎に翼』で体現した“記者魂” 寅子の人生の節目ごとに側にいた竹中の生き様

寅子(伊藤沙莉)にとってやけに縁深い人物が再登場した『虎に翼』(NHK総合)第23週。いよいよ始まった「原爆裁判」の口頭弁論の傍…

 一方、強面でぶっきらぼうな物言いから一見怖い印象を与えるが、取材対象に大きな愛があったのが『虎に翼』(2024年度前期)に登場した帝都新聞の記者・竹中(高橋努)だ。竹中は明律大学の入学式で、穂高(小林薫)とそばにいた寅子(伊藤沙莉)に話を聞いていたが、その態度はとてもいいものとは言えなかったし、記事も皮肉めいていて小さめ。

 だが、その後も、気づかれないように寅子たちが企画した法廷劇を見に行ったり、共亜事件が起こった後に猪爪家の前にいたりと、何かと寅子を気にかけていて、結果的に寅子の人生の大部分に関わる人となっていった。

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