『あなたを奪ったその日から』紘海と結城の距離が急接近 葛藤生み出す憎悪と共感の綱引き
『あなたを奪ったその日から』(カンテレ・フジテレビ系)第7話では、紘海(北川景子)と結城(大森南朋)の共感に似た感情が生まれた(※本記事ではドラマ本編の内容に触れています)。
週刊誌記者の砂羽(仁村紗和)は、紘海がyukiデリで起きた事故の被害者遺族であると気づく。紘海が娘の命を奪った相手の下で働いていることに砂羽は驚きながらも、結城が調理責任者の鷲尾(水澤紳吾)に口止め料を払ったと話し、次いで紘海にある提案をする。
第7話では、結城と紘海が働くスーパー「スイッチバック」が関西に進出することになり、ディベロッパー企業の会長と家族をもてなすために別荘に招待。そこで起きた出来事が、結果的に紘海と結城の距離を縮めることになった。
10年もの間、隠し通してきた紘海の“嘘”。結城の実子である萌子を、美海(一色香澄)として育てて、周囲にはそのことを隠してきた。その嘘に少しずつほころびが生じ、いつ気づかれるかは時間の問題だった。砂羽が一目見るなり紘海の正体に気づいたのは、yukiデリの事件を追い続けた執念のたまものといえる。
紘海は、アレルギー混入事件の真相を探るためスイッチバックの社員になったのだが、これは非常に危険な行為だ。うまく真実を探り当てられればいいが、バレたら終わりで証拠を得られないまま会社を追われるのは確実。まさか絶対にバレないと思っているわけではないだろうが、結城が鈍感すぎるおかげで、紘海のことを疑いもしないのは幸運としか言いようがない。
身の危険を冒して真実に近づく紘海に対して、事件のほうは手が届きそうで大事な部分は謎に包まれている。視聴者は紘海に感情移入しながら、同時にもどかしさを味わうことになる。この何とも言えないひりひりした焦燥感が本作の特徴かもしれない。
別荘で起きた出来事で重要だったのは、梨々子(平祐奈)と結城の確執、また来訪者の孫が起こした誤嚥トラブルだった。梨々子は、ボーイフレンドに冷たくされて結城に八つ当たりする。そこから伝わってくる父と娘の険悪な関係、その発端が過去のある出来事に由来していること。そのことが、玖村(阿部亮平)の言う結城家での口論に由来していることが見えてきた。