初めて会った駅員に話しかける美海と、望月をつかまえて話を聞こうとする紘海は、相手が異性でも積極的にぶつかるところが似ていて、実の親子のようでほほえましい。駅員の柊大地（小林虎之介）は制服制帽が凛々しいが、見てくれだけでなく内面もハンサムで窮地の美海を救った。特別列車は1週間後なので、二人の再会に期待するとしよう。

　長らく抱いていた疑問、なぜ結城は紘海が10年前の事故の被害者遺族だと気づかないのか、への答えが第7話にはあった。賠償金を紘海と元夫の景吾（高橋光臣）は受け取っていなくて、法廷で顔を合わせてもいないのだろう。もし知っていれば、料理教室の時点で気づいているはずだ。示談をつっぱねて会っていなければ、たしかに互いを知らないことはあり得る。

　相関図のキャラクターでドラマ終盤に絡んできそうなのが梨々子（平祐奈）と玖村（阿部亮平）である。梨々子のわかりやすい他責思考を目にするにつけ、それも含めて甘えられる関係が親子だと逆に納得してしまう。梨々子は失踪した妹を見分けられるはずで、結城とのねじれた関係が、美海との再会をきっかけにどう変わっていくかに注目したい。それとともに、とうとう梨々子の誘いに乗ってしまった玖村が、悪女に翻弄 ほんろうされて良くない結末に至らないことを祈るばかりである。

■放送情報
『あなたを奪ったその日から』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00～22:54放送
出演：北川景子、仁村紗和、平祐奈、阿部亮平（Snow Man）、水澤紳吾、小川李奈、一色香澄、田山由起、内藤秀一郎、原日出子、鶴田真由、大浦龍宇一、中原丈雄、筒井道隆、大森南朋
脚本：池田奈津子
演出：松木創
企画：水野綾子
音楽：村松崇継
主題歌：back number「ブルーアンバー」（ユニバーサル シグマ）
プロデューサー：三方祐人
制作：カンテレ、共同テレビ
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