Netflixシリーズ『おつかれさま』の配信がスタートした。IUとパク・ボゴムの初共演作とあって配信前から期待値が高かった韓国ドラマだ。

　ヒロインを演じるIUは、15歳からソロ歌手としての活動をスタートし、ぺ・スジやキム・スヒョンと共演した『ドリームハイ』で俳優デビューするや否や演技の才能も開花。2024年にはワールドツアーを開催し、その様子が映画となって日本でも限定公開された。また、TWICEやパク・ソジュンなど人気アイドル・俳優たちが出演するYouTube番組「IUのパレット」では、ゲストの素顔を一歩引いた角度から掘り下げる“ホストIU”としての新たな姿を見ることができる。

　本記事ではそんな様々な顔を持つIUの中でも、俳優として多彩な顔を見せている映画・ドラマを5つをご紹介したい。

『麗＜レイ＞〜花萌ゆる8人の皇子たち〜』

　失恋した女性が湖で溺れてしまい、気がつくと高麗に生きる女性へ・スとなっていた……というファンタジー時代劇『麗＜レイ＞〜花萌ゆる8人の皇子たち〜』。IU演じるスの周りにイ・ジュンギ、カン・ハヌル、ナム・ジュヒョクらが演じる皇子がいて、全員が天真爛漫なスのことを気にかけるようになるという、夢のような紅一点の物語だ。

　IUにとって初の時代劇であるが、彼女が持つイメージがそのまま生かされていて、鮮やかな色合いの韓服姿でもシンプルな女官姿でも美しさが光る。スは様々な皇子からのアプローチを受ける中で、親族をも排除したと言われる未来の皇帝になるのは誰なのか、そしてその悲惨な歴史を変えるために、自分にできることは何かを考えていく。恋愛だけでなく、タイムトラベル好きもハマる要素が多くある作品だ。

『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』

　韓国ドラマの中でも名作の一つとして挙げられる『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん』は、建設会社の部長として働き、社内政治に巻き込まれる“おじさん”ドンフン（イ・ソンギュン）と派遣社員のジアンを描いた物語だ。IUが演じるジアンは借金を返済しつつ、祖母を養い、借金取りには殴られる日々を送っていたが、一見幸せそうに見えるドンフンの苦しみや他人に対する温かさに触れ、お互いに励まし合う存在となっていく。

　ジアンはほとんど無表情でセリフも少ないが、だからこそ彼女が時折見せる笑顔や息ができないほどの涙からは、彼女がそれほど心動かされていることを理解できる。可愛らしいIUのイメージを覆す繊細な役柄で、20代後半に向かう彼女自身の成長も感じ取れる作品だ。

『ホテルデルーナ ～月明かりの恋人～』

　幽霊たちが集うホテルを舞台にしたドラマ『ホテルデルーナ ～月明かりの恋人～』で、IUはそのホテルの社長・マンウォルを演じている。死んだ人間は三途の川へ向かうまでの間、このホテルでやり残したことをして、ゆったりと過ごすことができるのだ。

　様々な悲しい理由で死を迎えた人間たちは、心残りが成し遂げられるまでホテルデルーナのスタッフとして働いている。マンウォルが1300年もの間、ホテルの社長として存在している理由も実に悲しみに満ちており、いつも強気な彼女の過去が明らかになった時には、彼女の見え方が変わってくるだろう。全てを受け入れようとする支配人チャンソン（ヨ・ジング）の存在も大きな支えとなる。マンウォルのファッションも美しく、舞台に立っているIUとはまた違うラグジュアリーさも楽しむことができる。