芳根京子が“ひよこ感”を体現 『まどか26歳、研修医やってます!』研修医が背負う命の重さ
患者の異変をみすみす見過ごしてしまった自身の横柄さを謝罪しようとしても、合わせる顔もなく怖気付いてしまうまどかに、指導医の菅野(鈴木伸之)は真っ向から伝える。
「逃げずにきちんと向き合うんだ。若月先生はお客様じゃない。俺たちと同じ医者だから」
これはまどかのことを信じてくれているからこそ言える言葉だろう。この言葉があったからこそ、真っ先に駆けつけてしまった“コードブルー”のサインにもまどかは何とか自分を鼓舞して心肺蘇生に当たることができていた。自身の手に人の命が懸かっている、相手の生き死にが委ねられているという重責に押し潰されそうになりながら、“自分にやれるのか?”という不安を打ち消すように「死んでも死なせない」と一定リズムで心臓マッサージを続けるまどかの姿は医師そのものだった。人の命に向き合いながらも自身の弱さや不甲斐なさに何とか打ち勝とうとするひたむきさが滲む。そのひたむきさこそが、まどかを同じ人でありながらも人命を救う側の“医師たらしめる”のかもしれない。何とか命を繋ぎ止めた後に、その場にへたり込んだまどかの完全に脱力した姿はその決闘の証で、初めて命の手触りを噛み締め実感した彼女の様子を芳根は見事に体現していた。
この手が相手の命を、命運を握っているという状況下で、冷静さを保ち、傲ることもなくただただ相手の生命力も自分自身も信じるというのは、どれだけの精神力を求められることだろうか。こんなタフさを求められる場面が、これからどんどんまどかたち研修医に降り掛かってくるのだろう。
“科を選ぶことはどう生きるかを決めること”という、ある意味容赦ない手加減なしの人生の岐路に立つまどかたちの奮闘を息を飲みながら見守りたい。
■放送情報
火曜ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:芳根京子、鈴木伸之、髙橋ひかる、大西流星、吉村界人、小西桜子、渡邊圭祐、堀田茜、佐野弘樹、岩男海史、小松利昌、信川清順、板倉俊之(インパルス)、森カンナ、赤堀雅秋、溝端淳平、佐藤隆太、木村多江、奥田瑛二
声の出演:大塚明夫、大谷育江
第1話ゲスト: 田中真弓
原作:水谷緑『まどか26歳、研修医やってます!』『あたふた研修医やってます。』『離島で研修医やってきました。』(KADOKAWA刊)
脚本:前川洋一、船橋勧、松井香奈、村野玲子、原野吉弘
音楽:伊賀拓郎
主題歌:星野源「Eureka」(スピードスターレコーズ)
演出:井村太一、山本剛義、大内舞子
プロデュース:塩村香里、松本桂子
編成:武田梓
製作:TBSスパークル、TBS
©TBS
©Midori Mizutani/KADOKAWA
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/madoka26_tbs/
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