トミー・バストウ自身がまるで小泉八雲? 『ばけばけ』に向けて『SHOGUN 将軍』も必見

 2024年放送予定のNHK朝ドラ『ばけばけ』に、イギリス出身の俳優トミー・バストウが出演することが決定した。

 バストウが演じるのは、作家ラフカディオ・ハーン(日本名:小泉八雲)をモデルにした主人公・トキ(髙石あかり)の夫となるヘブン。異文化と日本文化の交差点に立つこの役柄は、バストウ自身のキャリアとも重なる部分があり、大きな期待を集めている。

 ヘブンは、ギリシャ出身のアイルランド人の設定。小さい頃に両親から見放されて育ち、親戚をたらい回しにされたあげく、アメリカに追いやられ、居場所を探し続けて日本に流れ着く。現在でさえ在留外国人への偏見がなくなっているとは言い難いが、外国人が珍しい明治時代、普通に生きていくことが困難であったことは想像に難くない。そんなヘブンにとっての“居場所”となるのがトキというわけだ。

 バストウは1767人(国内から246人、海外から1521人)の応募者の中からヘブン役に゙選ばれた。「オーディションの現場にいたみんなが彼に惚れていました」(制作統括・橋爪國臣)、「トミーさんは我々に、ヘブンってきっとこんな人だったんだろうと思わせてくれました」(脚本・ふじきみつ彦)とそれぞれコメントしているように、彼の佇まいそのものが制作陣のイメージするヘブンそのものだったということなのだろう。

朝ドラ『ばけばけ』髙石あかりの夫役はトミー・バストウ 『SHOGUN 将軍』に出演

2025年度後期(大阪制作)NHK連続テレビ小説『ばけばけ』ヒロインの夫役がトミー・バストウに決定した。  朝ドラ第113作目…

 当然、そこには彼が日本文化に精通、日本語も10年以上独学で勉強していたという事実があったからこそなのは間違いない。バスドウ自身も小泉八雲との共通点を「日本が大好き、冒険も好き、繊細な部分があるところ」と語っている。そして、彼を語る上で欠かせないのが2024年エミー賞受賞ドラマ『SHOGUN 将軍』への出演だ。本作のオーディションを知ったのも、共演者の一人である穂志もえかからだという。

 バストウが『SHOGUN 将軍』で演じたのは、ポルトガル人のマルティン・アルヴィト司祭。髪型が違うこともあるが、会見に現れたバストウの姿と同一人物とは分からないほどだった。『SHOGUN 将軍』では日本語を使用できる人物だったが、あくまで“ネイティブ”ではないため、“心”で通じ合うことが求められていた。『ばけばけ』でも、言葉を超えて心で夫婦が通じ合うことが求められるだけに、その芝居はすでに経験済みとも言えるだろう。

 貴重なバストウの日本語での演技も観ることができる『SHOGUN 将軍』。『ばけばけ』の放送前にぜひチェックしてほしい。

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