『嘘解きレトリック』松本穂香の“嘘を見抜く力”以上の強み 左右馬×鹿乃子の急接近に期待

 たとえ鹿乃子(松本穂香)のように嘘を見抜けなくとも、人は生きていかねばならない。騙され、傷つく覚悟をして、それでも誰かを信じることこそ尊いことなのだから。そんなメッセージを感じさせる『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)第8話。

 探偵事務所で留守番をしていた鹿乃子の元に、馨(味方良介)がやって来た。スリや置き引きの注意を呼びかけるビラ配りの手伝いを依頼するためだ。馨は駅での歳末警戒の活動中、財布をすられて困っている婦人を助けたと話す。遠方の娘の出産に立ち会うため急いでいた婦人に、馨は電車賃を貸す。帰宅した左右馬(鈴鹿央士)は、それが寸借詐欺の常套手段だと指摘する。しかし馨は、婦人を疑うそぶりを見せなかった。

 そんな折、料理屋「くら田」と八百屋「八百六」の間で騒動が持ち上がる。突如決まった寄り合いの弁当の注文を巡って、「くら田」の達造(大倉孝二)と「八百六」の六平(今野浩喜)が激しい言い争いになったのだ。

 六平は十三折のお重を注文したと主張するが、達造の手元にある注文書には廿三折と書かれていた。達造は既にその数のお重を用意してしまっている。六平は自分が書いた注文書にも確かに十三折と記したと譲らず、噛み合わない会話に、両者の言い分は平行線を辿る。そこで、事態を心配したヨシ江(磯山さやか)とタロ(渋谷そらじ)は、左右馬と鹿乃子に仲裁を依頼したのだった。

 左右馬は事態を解明するため、達造、六平、ヨシ江から順に話を聞いていく。証言の内容は、六平が「十三折」と頼んだ点で一致している。ヨシ江は、六平が確かに注文書に「十三折」と書くのを見ていたとも証言した。しかし紙には、やはり「廿三」の文字が。鹿乃子には3人の話のどれもが真実に思えた。不思議なことに、誰の言葉からも嘘は感じられないのだ。

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