第73回ベルリン映画祭銀熊賞受賞 アンゲラ・シャーネレク監督『ミュージック』公開決定

 第73回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀脚本賞)を受賞した映画『Music(原題)』が、『ミュージック』の邦題で12月13日よりBunkamura ル・シネマ渋谷宮下にて公開されることが決定した。

 第73回ベルリン国際映画祭のほか、トロント国際映画祭、ニューヨーク映画祭、ロンドン映画祭、そして東京国際映画祭でも上映された本作は、悲しみを抱きながらも、やがて音楽と出会い、歌うことでその悲しみを乗り越えようとする男・ヨンを主人公にした人間ドラマ。ギリシャ悲劇『オイディプス王』に着想を得つつ、舞台を現代ヨーロッパに置き換え、大胆かつ自由に翻案した。監督を務めたのは、『家にはいたけれど』で第69回ベルリン国際映画祭の銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞したアンゲラ・シャーネレク。

 嵐の夜、ギリシャの山中に置き去りにされた赤ん坊は、救出した夫婦に引き取られヨン(アリョーシャ・シュナイダー)と名付けられる。青年となり、悲劇的な出来事に見舞われた彼は刑務所へ送られ、看守として面倒を見るイロ(アガト・ボニゼール)と出会う。ヨンを気遣うなか、イロは彼のためにテープに音楽を吹き込み、ヨンはその音楽に癒しを見出す。やがて刑務所を出たヨンとイロは特別な絆で結ばれるものの、ヨンはふたたび運命の歯車に翻弄される。しかし、彼が悲しみと向き合うその先には、優しく鳴り響く美しい音楽があった。

 主演を務めたのは、『ジュリア(s)』などに出演し、歌手としても知られているアリョーシャ・シュナイダーと、『イサドラの子どもたち』のアガト・ボニゼール。シュナイダーは劇中でも優しい歌声を響かせている。また、本作において重要な役割を持つ音楽は、カナダ・トロント在住のミュージシャン、ダグ・ティエリが手がけた。シャーネレク監督は1年以上リサーチし、ティエリの楽曲にようやく出会ったという。

映画『ミュージック』予告編

 あわせて公開された予告編は、シャーネレク監督が紡ぐイメージの圧倒的な力強さ、そして美しさが強調され、後半では『ミュージック』のタイトルに繋がるような、優しく静かに熱を帯びるエモーショナルな演奏シーンが映し出されている。

■公開情報
『ミュージック』
12月13日(金)Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下にて上映
出演:アリョーシャ・シュナイダー、アガト・ボニゼール、マリシャ・トリアンタフィリドゥ
監督・脚本・編集:アンゲラ・シャーネレク
配給:東急文化村
2023年/ドイツ、フランス、セルビア/ギリシャ語、英語/109 分/DCP/原題:Music/字幕:吉川美奈子/字幕協力:東京国際映画祭
©Shellac

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