『わたしの宝物』真琴のまさかの行動に騒然 あまりにも悲しすぎる“宏樹”田中圭の泣き顔

 神崎夫婦に訪れた平穏で、だけれどもこの上ない幸せな時間に一気に陰りが見え始めた『わたしの宝物』(フジテレビ系)第5話。

 美羽(松本若菜)と冬月(深澤辰哉)のさようならの抱擁を目撃していた真琴(恒松祐里)。シングルマザーで全く育児に協力的ではなかった元夫と、妻は他の男性に心奪われながらもそうとは知らずに娘・栞のことを溺愛し喜んでその面倒を見る宏樹(田中圭)のことを比べ、何もかも手にしている美羽のことが許せなくなったようだ。また、元々宏樹のことを“推し”だと言って憚らなかった真琴は、それでも美羽と宏樹のことを理想の夫婦だと思っていたからこそ、自身の気持ちをライトな“推し”という表現に留めていたのだろう。

 そんな真琴の中でタガが外れる。「美羽のおかげで大切なものに気づけた。今が一番幸せ」と何の衒いもなく真っ直ぐに言う宏樹の姿に、ますます美羽の不倫疑惑が受け付けられなくなる。美羽のことを自分の雑貨屋で雇い、わざと冬月と彼女が遭遇するように仕向けてみたり、2人に発破をかけてみたり。親友だと思っていた美羽が自分に全く本音を打ち明けてくれないのもまた面白くないし、彼女の中で真っ黒い感情が広がり、手に負えなくなっていく。栞と宏樹の血縁関係まで疑い出し、それを「女の勘」で「母親の勘」だとして、宏樹本人に伝える反則を犯す。

 “托卵”自体がもちろん誰にも後ろ指さされず公表できるものではないだろうが、だからと言って他人が個人的なごくごくプライベートな選択についてとやかく口出しできる道理もない。変な正義感が空回って、本人は良かれと思って邪推をぶつけることほど迷惑でナンセンスなことはないと改めて思ってしまう。何より栞の出自に関わる秘密に土足で踏み入る権利など誰にもないはずだ。

 真琴の「女の勘」で「母親の勘」を「女の嫉妬」だと言い換えて邪推を寄せ付けなかった喫茶店のマスター・浅岡(北村一輝)のような存在が宏樹にもいて良かった。

 それでも、真琴の言葉とそこから連想される妊娠発覚当初の浮かない表情をした美羽の記憶が拭い去れない宏樹は、DNA親子鑑定を受けてしまう。

 その結果を一人静かに受け止めるしかない宏樹の姿には胸が痛む。自分が美羽にしてきた酷い仕打ちの数々を忘れてはいない上、自分自身に落ち度があったことを自覚しているからこそ、その事実を美羽に確認することもできず、自分の内に閉じ込めようとしてしまう。

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