『おむすび』橋本環奈が仲里依紗の力を借りて“変身” 浜崎あゆみの歌詞と見事なリンク

 自分のことを「ニセモノ」だと、卑下する歩(仲里依紗)と結(橋本環奈)。『おむすび』(NHK総合)第30話は、そんな2人が過去の自分、今の自分を認め、正直に生きることで未来へと羽ばたきだす、序盤の節目とも言える大事な回。とは言っても、『あさイチ』(NHK総合)の“朝ドラ受け”でキャスターの博多大吉が触れていたように、もうじき訪れる福岡を離れるタイミングが大きな山場となるのだろう。同時に「プレミアムトーク」で出演の北村有起哉が福岡を離れることはなく、定期的に訪れることになるとも明かしていた。

 付き人の佐々木佑馬(一ノ瀬ワタル)が“大女優”と呼ぶ、歩の職業の真相。それはカラオケビデオに出演するような、大女優と呼ぶには時期尚早な段階だった。東京でギャル雑誌の読者モデルとして活動していた歩だったが現場に呼ばれなくなり、小さい事務所に入りカラオケビデオに出演するようになった。大女優でも、カリスマでも、ギャルでもなく、ニセモノだと歩は、スナックひみこにて家族やルーリー(みりちゃむ)たち、ハギャレンメンバーに伝える。

 この時、歩がカラオケビデオに出演していた曲が、浜崎あゆみ「Boys & Girls」だ。第11話にもルーリーたちがカラオケで選曲していた楽曲で、「孤独」「居場所がない」という歌詞を歌いながらも、最後には必ず「傷ついても生きていこう」というメッセージで、優しく背中を押してくれる、ギャルの心に沁みる魅力が浜崎あゆみの曲にはあるとギャルのリアルな目線から語られていた。世間一般的には小さな役かもしれないが、ギャルにとっての救いの歌、その一助になっているのだから、それはチョーカッコいいこと。少なくとも結やハギャレンメンバー、さらに米田家にとっても、ニセモノなんかではない。誰もが最初は何者でもないところから始まる。演じる仲里依紗も、橋本環奈も、スタートは無名だった。けれど、諦めることのない着実な一歩や努力、きっかけがあり、今に繋がっているのだ。

 震災で亡くなった親友・真紀(大島美優)の代わりの人生を生きてきたという歩だが、結は「真紀ちゃんとずっと一緒に生きてきたように見える」と話す。それは自分自身がギャルをやりたかったということ。過去の自分の肯定。一方で結は、やりたいことも夢も持たない自分こそがニセモノだと話す。

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