『虎に翼』星家に拒絶された寅子の“苦言” 優未「お母さんも悪いところがあったと思う」

 航一(岡田将生)と事実上の夫婦であることを明記した遺言書を取り交わし、互いに別々の苗字を名乗ることにした寅子(伊藤沙莉)。『虎に翼』(NHK総合)第106話では、寅子と優未(毎田暖乃)が星家で暮らし始める。しかし、早くも先行きが不安な新生活となった。

 前の夫・優三(仲野太賀)は早くに両親を亡くして天涯孤独の身だったため、寅子にとってパートナーの家族と暮らすのはこれが初めて。いつの時代も嫁姑問題は存在するようで、寅子の後輩である判事補の秋山真理子(渡邉美穂)は姑から男孫を産むように急かされているようだ。

 寅子の場合、今のところは姑にあたる百合(余貴美子)とぶつかる様子はない。星家を守る使命に基づいて航一が佐田性を名乗ることには反対したが、二人が事実婚という形を取ることに関してすんなりと受け入れてくれたのをみるに百合はとても柔軟な考えを持っているのではないだろうか。朋彦(平田満)の後妻であり、航一とは血が繋がっていない百合。自身に子供はおらず、寅子に「お義母さん」と呼ばれただけで喜んでくれるかわいらしい人だ。優未のことも、本当の孫のようにかわいがってくれている。

 寅子が気になったのは、そんな百合のことを航一の子供たちがまるで女中のように扱っていること。百合が毎朝、気分に応じて選べるように和食と洋食のどちらも準備してくれていることを朋一(井上祐貴)ものどか(尾碕真花)も当たり前かのような顔をしている。さらには風呂も自分で沸かさず、百合が作ってくれた食事の味に文句をつける朋一に、寅子は優未の制止もきかず苦言を呈してしまった。いつしかやってもらうことが当たり前になって、花江(森田望智)に無理をさせていた経験があるからこそ、黙っていられなかったのだろう。

 説教くさい言い方でもなく、その内容も人として当たり前のことだ。けれど、朋一は「母親ヅラはやめてください」と反発。落ち着いた口調ではあるが、「僕は家族のようなものになることを受け入れた。あなたたちも嫌いじゃないじゃない。だけど、それ以上は望まないでいただけますか」という言葉からは寅子たちに対する強い拒絶心を感じる。

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