小芝風花、2024年は“声優”として躍進の1年に 声の演技で拡がる役柄の幅
『GO HOME』の桜は、小芝がこれまで演じてきた役と比べれば、快活すぎるとも弱気すぎるとも言えないニュートラルな役柄だ。桜の声は小芝自身のノーマルな声のように聞こえるが、場面によってきちんと使い分けられている。特に、第5話で遺恨の残る母親・葉月(鈴木杏樹)に対面した時や、向き合おうと決めた食事の場面などは、普段の桜の声とは違う固さのある声で、かたくなな心の内を見せていた。
母親と一緒にいたくないがために、相棒の月本真(大島優子)と科捜研の同期・芹沢菜津(柳美稀)に「帰らないで」と懇願する場面では、柔らかい普段の声から切実な思いが見える声色へとグラデーションのように変化し、桜の中にある家族への複雑な思いが垣間見えた。この桜の思いを受け止める真の表情も含めて、小芝と大島の巧みな芝居を堪能できるなんとも痺れるシーンだった。
当たり前だが実写作品は、俳優がその役の表情もリアクションもセリフの言い方も声も全て担うことになる。小芝は、自身の持てる身体的要素のすべてを使って、役柄の人生を真摯に表現している。
ちなみに、8月公開の『ツイスターズ』では、2回目の海外映画吹き替えを経験し、12月公開のアニメーション映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』では、はじめてアニメ作品の吹き替えを担当することが発表されている。彼女の声を操る力が評価されている証拠だろう。
彼女の声も含めた演技力に惚れ込んだクリエイターたちが、次にどんな役を彼女に与えるのか楽しみだ。
■放送情報
『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00〜放送
出演:小芝風花、大島優子、阿部亮平、柳美稀、戸次重幸、半海一晃、高島礼子、吉田鋼太郎
脚本:八津弘幸、佐藤友治
音楽:横山克
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:荻野哲弘、鈴木将大、本多繁勝(AX-ON)
演出:菅原伸太郎、大谷太郎ほか
制作協力:AX-ON、アバンズゲート
製作著作:日本テレビ
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