『虎に翼』寅子が家族に素直な心情を打ち明ける 男性陣の丁寧な心理描写も話題に

 ただ、できてしまった溝がすぐに埋まるわけではない。頭を下げる母に、優未は「はい」と返した。その「はい」は、“お利口さん”の「はい」のようにも思える。寅子の顔を見つめ返す優未は物悲しい顔をしているし、寅子の「ありがとう」という言葉に目を伏せたことも気になる。優未を演じている竹澤の演技には胸が締め付けられる。子供ながらに思うことは多々あるが、母に気を遣い、本音をさらけ出すことができないといったような複雑な胸の内が感じられるからだ。新潟へ行くことで、寅子と優未の間にできた溝が少しずつ埋まることを願ってやまない。

 また、昨日の放送に引き続き、小橋(名村辰)の言動も話題に。物語終盤の桂場(松山ケンイチ)が寅子の将来を思って新潟異動を命じたことが分かる場面。汐見(平埜生成)が「愛されてるな、佐田さんは」と口にすると、小橋がふと「羨ましい」と呟いた。寅子に対する小橋の憎まれ口は、この感情から生まれていたのだろう。SNS上では、「小橋の『羨ましい』という吐露が切実で、とても良かった」「小橋の『羨ましい』 がよかった。 妬むとかじゃない、自然な心情がポロッと出てくる感じ」などの声のほか、直明が「みんなが新潟に行っちゃうのも寂しい!」と本音を明かした場面にも触れ、「直明の寂しさや、小橋の寅子に対する羨望を、男性の感情を丁寧に描くところが好きです」といった声もあがっていた。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、森田望智、平埜生成、三山凌輝、名村辰、松川尚瑠輝、和田庵、沢村一樹、滝藤賢一、松山ケンイチ
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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