キリル・セレブレンニコフが描く“世紀の悪妻” 『チャイコフスキーの妻』9月6日公開決定

 キリル・セレブレンニコフ監督の最新作『Tchaikovsky's Wife(原題)』が、『チャイコフスキーの妻』の邦題で9月6日より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開されることが決定した。

 本作は、ロシアの天才作曲家・チャイコフスキーを盲目的に愛し、“世紀の悪妻”といわれたアントニーナの実像に迫った伝記映画。女性の権利が著しく制限されていた19世紀後半の帝政ロシアを背景にチャイコフスキーが同性愛者だったという、ロシアではタブー視されてきた事実を明確に描き、夫婦間の知られざる真実に迫る。第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、フランスでは17万人超の動員を記録した。

 史実に従いながら、大胆な解釈を織り交ぜてアントニーナを描いたのは、『LETO-レト-』『インフル病みのペトロフ家』のキリル・セレブレンニコフ監督。監督は本作について、「この映画の真髄は愛にあります。異なる形の愛の物語を描く映画を作りたかったのです」とコメントしている。

 『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』で知られるロシアの天才作曲家、ピョートル・チャイコフスキー。かねてから同性愛者だという噂が絶えなかった彼は、恋文で熱烈求愛する地方貴族の娘・アントニーナと、世間体から結婚する。しかし女性への愛情を抱いたことがないチャイコフスキーの結婚生活はすぐに破綻し、夫から拒絶されるアントニーナは、孤独な日々の中で狂気の淵へと堕ちていく。

 あわせて公開された日本版ポスタービジュアルには、「旋律から戦慄へ」というキャッチコピーが添えられ、チャイコフスキーと、彼に触れたいとばかりに恋焦がれる表情を浮かべたアントニーナの横顔が捉えられている。チャイコフスキーとアントニーナの間には2人の心の距離を表すような黒い隔たりが。さらに中央の「Wife」の文字は、アントニーナが赤黒いインクで綴ったもので、闇の中に置かれたアントニーナの姿も見られる。

■公開情報
『チャイコフスキーの妻』
9月6日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開
監督・脚本:キリル・セレブレンニコフ
出演:アリョーナ・ミハイロワ、オーディン・ランド・ビロン、フィリップ・アヴデエフ、ユリア・アウグ
配給:ミモザフィルムズ
2022年/ロシア、フランス、スイス/ロシア語、フランス語/143分/カラー/2.39:1/5.1ch/原題:Tchaikovsky's Wife/字幕:加藤富美 
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公式サイト:https://mimosafilms.com/tchaikovsky/

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