『鬼滅の刃』悲鳴嶼の壮絶な過去が明らかに ED曲を活かした鬼舞辻無惨のアニオリ演出も

 “覚悟”を決めた善逸と炭治郎のやり取りも印象的だった。厳しい悲鳴嶼の稽古に悲鳴を上げていた善逸だったが、チュン太郎が届けた一通の「手紙」により、雰囲気が一変する。心配する炭治郎をよそに「やるべきこと・やらなくちゃいけないことがはっきりしただけだ」と語る。その口ぶりはいつものビビリな善逸ではなく、覚悟が決まっている人の決意に満ちた声。「これは絶対に俺がやらなきゃ駄目なんだ」と語る下野紘の声色がとても素晴らしかった。その手紙の内容、すなわち善逸の“やるべきこと”は今後明かされていくことだろう。

 義勇のもとに向かった炭治郎だったが、義勇と不死川は決闘をしていた。不死川の「風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ」、義勇の「水の呼吸 肆ノ型 打ち潮」が飛び交う戦闘シーンのアニメーションは圧巻。その後に炭治郎が割って入って、不死川を怒らせるまでの一連の流れも『鬼滅の刃』らしい展開だ。義勇が不死川と仲良くなるためにおはぎをあげようとしているシーンからは、義勇の天然ぶりが再確認できるほっこりとするシーンだった。

 40分のスペシャル版とあって、無惨が産屋敷邸に侵入するシーンはHYDE × MY FIRST STORYの「永久 -トコシエ-」をBGMに丁寧にじっくりと描かれていた。一歩一歩産屋敷に近づいていく無惨は、圧倒的なオーラを放っている。個人的には「無限城編」に至るまでのプロローグとしてはこの上ない演出だったように思う。この先の展開が読めないからこそ、2人の邂逅には胸が高鳴った。無惨の狙いは禰󠄀豆子であることは間違いないが、簡単に侵入を許す産屋敷ではないだろう。何か策があるはずだと信じて、最終話を待ちたい。

■放送情報
『テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編』
フジテレビ系にて、毎週日曜23:15〜放送
TOKYO MX、BS11、群馬テレビ、とちぎテレビにて、毎週土曜24:00〜放送
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
美術監督:衛藤功二
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
アニメーション制作:ufotable
キャスト:花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、小西克幸、河西健吾、早見沙織、花澤香菜、鈴村健一、関智一、杉田智和
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
公式サイト:https://kimetsu.com/anime/hashirageikohen/

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