『ヒーローではないけれど』チャン・ギヨン&チョン・ウヒが結婚へ キスで着火する恋心

 ダヘは、ホン家の超能力によって、全てを見透されることに恐怖を感じながらも、ギジュとの結婚式の日を迎える。予知夢によって結婚式がどうなるかを知っていたマヌムは、ギジュに意味深な言葉を投げかける。ダヘは、式前にギジュの父スング(オ・マンソク)から、ギジュの過去を聞かされる。スングは、ギジュが過去に引き戻されて苦しんでいたことを明かし、「今度希望を失ったら立ち直れないでしょう」とダヘに告げた。

 物語の初めから、ダヘはギジュを騙すつもりで近づいたが、ギジュを知り彼に惹かれていく中で、葛藤するようになる。そこにとどめを刺すように告げられたスングの言葉によって、ダヘは全てを明かしてしまうのだが、ギジュは一体どうなるのだろうか。ギジュのタイムトラベルの中で、唯一救える人であるダヘに、ギジュは希望を見い出し、彼女との結婚を決意したのだ。その彼女が自分を騙していたことを知ったあと、彼はどういう選択をするのだろう。

 ギジュとダヘとの関係性だけでなく、ダヘを中心にギジュと娘イナとの関係の再構築も気になるところだ。拠り所がなく、能力のことを家族に秘密にしているイナ。ジュヌ(ムン・ウジン)との淡い初恋など、思春期の悩みもふまえて彼女の笑顔が見られることを願っている。

 さらに、チャン・ギヨンが演じるギジュが、うつ病から立ち直り始める様子からも目が離せない。虚ろで終始気だるげな様子から、目に光が灯り、カッコよさが増した上、コミカルな様子も見せ始めた。過去にトラウマを抱えるダヘを好演しているチョン・ウヒとのケミも良く、ダヘとギジュを中心に、ポク家が現代病を克服して超能力をイキイキと使えるようになることを期待している。

 全編を通じて、フランス映画を思わせるようなオシャレでアンニュイな音楽も物語を輝かせており、何度も同じ場面に戻る場面もあわせて、不思議な雰囲気が漂う“ヒーローではないヒーロー”ドラマとなっている。

 ギジュが、繰り返し戻ってダヘとのキスを覗き見る姿は、お気に入りのドラマのキスシーンをリピートして見ているドラマファンのようでコミカルで面白い。妻の死後、幸せを感じることができなくなっていたギジュに、再び「幸せな時間」が流れ出したようだ。

■配信情報
『ヒーローではないけれど』
Netflixにて配信中
出演:チャン・ギヨン、チョン・ウヒ
(写真はJTBC公式サイトより)

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