MCUの映画&ドラマの関係性に変化? 『アガサ』『デアデビル』は他作品とどう繋がるのか

 『デアデビル:ボーン・アゲイン(原題)』はファン待望の、けれどいろいろやきもきさせてくれる期待作です。主人公は表世界では弁護士マット・マードック、そして裏の世界では法では裁けぬ悪党と戦うヒーロー、デアデビルになります。盲目ですがすぐれた身体能力と超感覚の持ち主。このデアデビルはNetflixでチャーリー・コックスが主人公を演じるドラマシリーズが3シーズンほど作られました。このNetflixのシリーズはゆるーくMCUの世界観と繋がっている感じですが、Netflixとの契約が終わり、改めてディズニープラス用にデアデビルの新しいドラマが作られるようになった、その第1弾というわけです。

『シー・ハルク:ザ・アトーニー』ディズニープラスにて独占配信中 ©2022 Marvel

 ただこのドラマ以前にチャーリー・コックス演じるマット・マードックはすでに映画『スパイダーマン・ノー・ウェイ・ホーム』、ドラマ『シー・ハルク:ザ・アトー二ー』『エコー』にも登場し、MCUでの本格デビューに向けての下地作りは十分に行ってきました。今回の『デアデビル:ボーン・アゲイン(原題)』がNetflix版のテイストを受け継いだ、事実上の“デアデビル シーズン4”になるのか、それともNetflix版を引きずらないブランニューに仕上がるのかわかりませんが、恐らく前者だと思います。

 というのも、『デアデビル:ボーン・アゲイン(原題)』は製作している途中で、製作陣がなんかしっくりこないということでそれまで撮っていたもの、用意していた脚本等をすべてキャンセルして新たに作り直したそうです。その新たな仕切り直しにおいて、Netflix版『デアデビル』に出ていたキャラやキャストが復活したようなので、ここから考えるに「当初はNetflix版とは異なるデアデビルを目指したが、やっぱりNetflix路線に戻した」のではないでしょうか? 一つ気になるのはサンディエゴ・コミコンの発表の際、『デアデビル:ボーン・アゲイン(原題)』は全18話と言われていましたが、チャーリー・コックスは9話分の撮影を終えたと言っています。

 18話から9話に変更されたのか、それともシーズン1=9話、シーズン2=9話と分けて、とりあえずシーズン1用の撮影が終わったということなのか。なおこのシリーズのメイン・ヴィランは、Netflix版からも登場するヴィンセント・ドノフリオ演じるウィルソン・フィスク/キングピンです。『エコー』の最後で彼がNY市長になることが示唆されているので、デアデビルはNY市長になったキングピンと戦うのでしょうか。そしてキングピンというのは、コミックではスパイダーマンのメインヴィランの一人です。ということは! ドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン(原題)』からトム・ホランドの映画『スパイダーマン4(仮題)』に繋がる可能性もあります。

 『アイアンハート(原題)』は映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』に登場し、手製のアイアンマンスーツを着る天才少女リリ・ウィリアムズが主役。アイアンマンものの一種なので、ローディことウォーマシーンが活躍する映画『アーマーウォーズ(原題)』に繋がると思っていたのですが、まだまだ『アーマーウォーズ』の製作について具体的なインフォがありません。もしかすると、最終話にカマラ・カーン(ミズ・マーベル)が現れてリリをヤング・アベンジャーズにスカウトする展開? また、この『アイアンハート(原題)』には冥界の王メフィストが出るとも言われており、メフィストはゴーストライダーと切っても切れないキャラですからゴーストライダーへと繋がる可能性も考えられます。

 今回の発表をみてちょっとびっくりしたのがタイトルロゴに「MARVEL STUDIO」ではなく、「MARVEL TELEVISION」と入っていることです。マーベルはもともと映画部門とTV(ドラマ)部門を分けていて、例えばドラマ『エージェント・オブ・シールド』やNetflixの『デアデビル』などは、MARVEL TELEVISIONの管轄だったのですが、MCU×ディズニープラスの『ワンダヴィジョン』あたりからドラマもMARVEL STUDIOが担当することになりました。これは配信ドラマと映画をよりリンクさせるためです。しかしまた部門を2つに分けたようですね。これは映画とドラマの両方を1つの部門がみるとやはりクオリティが下がる、映画は映画、ドラマはドラマできちんとクオリティ管理しようということになったからでしょうか?

 というわけで、これからの映画とドラマの関係にまた変化が起こるかもしれませんが、こちらとしてはまず映画として面白い、まずドラマとして楽しめる、その上で両者がうまく連動してくれたらなお良しなわけでマーベルの新体制がいい結果を出してくれることも期待したいですね。

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