『花咲舞が黙ってない』今田美桜×山本耕史が示した相性の良さ 半沢直樹は誰が演じるのか?

 『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)第4話は、トピックが渋滞の回である。SNSを賑わせている件はラストに触れるとして、まずはこの回が相馬健(山本耕史)にとっての10年越しのリベンジとなったこと。第4話での舞台となる平井エンジニアリングの役員・助川信次(山西惇)は、相馬の元上司。平井エンジニアリングの若き経営者であり、舞(今田美桜)の元カレでもある平井勇磨(前野朋哉)を社長の座から引きずり下ろし、会社を乗っ取ろうとしていた。

 助川の目的は、平井エンジニアリングを特許を欲しがっている企業への売却。その問題を舞と相馬は隣店班としての仕事とは別に、休日を返上してまで調査していく。そうまでして2人が平井エンジニアリングにこだわるのは、平井からの相談と助川の2000万円にも及ぶ経費の使い込み、そして相馬が10年前に取引先が倒産した責任を助川から押し付けられたことにある。つまりは、相馬が出世コースから外れ、現在の隣店班に異動になったのは助川が原因ということだ。

 手柄は自分のもの、責任は部下のせいにする助川。今度は、助川の部下で経理担当の多田野肇(阿部翔平)がかつての相馬と同じ被害に遭ってしまう。相馬は勇気を振り絞り、舞の決めセリフである「お言葉を返すようですが」と助川へと切り込む。10年前の回想シーンで印象的なのは、相馬が「この銀行は腐ってる」「腐り切った組織と戦おう」と現在の舞のように不祥事を見過ごさないスタンスだったこと。それが助川から責任を押し付けられ、相馬は“あきらめた男”となってしまっていたが、舞と再会し徐々に自身の正義を取り戻し、今回10年越しのリベンジ、区切りをつけることができた。相馬は思い詰めたような憂いを帯びた表情から、権力にも屈せず、真っ直ぐな眼差しで不正を真っ向から糾弾し、そして晴れ晴れとした顔つきを浮かべる。グルメというだけでなく、不正に対して見て見ぬ振りをしない、弱い立場の人たちのために立ち上がる姿というのは、舞と相馬とで通じ合っていることがよく分かる。

 そんなバディとしての真の相性が示された第4話は、第一章のラストを飾る回でもあった。第二章の開幕に先駆けて第4話では新キャラが続々と登場しており、10年前に落ち込んでいた相馬へと声をかけた同期で昇仙峡(菊地凛子)の恋人だった川野直秀(平原テツ)、東京第一銀行のトップ・牧野治(矢島健一)が姿を見せている。川野の墓前で再会する相馬と昇仙峡。川野はなぜ亡くなったのかが物語の鍵となりそうだ。

 そして最大のトピックが、半沢直樹の登場である。ドラマの原作小説『花咲舞が黙ってない』の中盤から半沢が登場することから、原作通りに劇中でも半沢が登場する運びとなったようだ。すでに公式サイトの相関図は更新されており、川野直秀、牧野治と並び、半沢直樹も追加されているが、そのキャストはいまだ「???」となっている。第5話放送までの1週間は「誰が半沢直樹を演じるのか」で話が持ちきりになるのだろう。最大の手がかりは、次回予告で流れた低音の渋い声とそのシルエット。『半沢直樹』(TBS系)で半沢を演じている堺雅人でないことは確かのようだ。ちなみに、『半沢直樹』にも牧野治は登場しており、そちらでは山本亨が演じている。

■放送情報
土ドラ9『花咲舞が黙ってない』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00〜放送
TVer、Huluにて、地上波放送後配信
出演:今田美桜、山本耕史、飯尾和樹(ずん)、要潤、菊地凛子、上川隆也ほか
原作:池井戸潤 『花咲舞が黙ってない』(中公文庫/講談社文庫)、『不祥事』(講談社文庫/実業之日本社文庫)
脚本:松田裕子、ひかわかよ
演出:南雲聖一
チーフプロデューサー:田中宏史
プロデューサー:小田玲奈、鈴木香織、能勢荘志
シリーズプロデューサー:加藤正俊
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
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