『君が心をくれたから』雨と太陽が交わした約束の結末 自らが犠牲になることを選んだ千秋
それは視覚のタイムリミットである20時を迎えた瞬間にはっきりとする。人にぶつかった拍子で花火を待っていた視線が外れ、ちょうどそのタイミングで雨の視覚は失われ、太陽の花火が打ち上がる。気付かれまいと雨は太陽に見え見えの嘘をつくが、すぐに状況を察した太陽は間に合わなかった、花火を見せられなかった、約束を果たせなかった悔しさから涙を堪えきれない。それに対し、さらに見え見えの嘘を重ねる雨。そのあまりにもぎこちない“笑顔になってほしい”の思いが、このシチュエーションを尚更いたたまれないものにしていく。
次の最終話で雨は聴覚も失い、五感を全て奪われることになるわけだが、もう何かの手違いでもご都合主義でもいい。なにか彼らが救われる結末が用意されなければ、誰一人として浮かばれない状況になっている。
■放送情報
『君が心をくれたから』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:永野芽郁、山田裕貴、斎藤工、松本若菜、白洲迅、出口夏希、真飛聖、遠藤憲一、余貴美子
脚本:宇山佳佑
主題歌:宇多田ヒカル
演出:松山博昭
プロデュース:草ヶ谷大輔
©︎フジテレビ
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