『おっさんずラブ』よ永遠に! 続編で深まった“大切な人を大切にすること”の意味

 シングルマザーとして息子を育てながら、復職して多忙な日々を送るちず(内田理央)、そんな彼女を“家族”としてサポートする“まいまい”こと舞香(伊藤修子)と鉄平(児嶋一哉)、嫁姑問題を乗り越えて二世帯住宅で仲良く暮らす栗林(金子大地)と蝶子(大塚寧々)。そうした仲間たちの影響を受けながら、春田と牧が家族になっていく過程を私たちは追ってきた。喧嘩することがあっても、好き嫌いや価値観が違ってもいい。相手に歩み寄り、お互いが納得して幸せだと思える道を探っていく。そうしていくうちに自然と人と人は“家族”になっている、というのが彼らから教わったことだ。

 そういうある種、面倒臭い努力はお互いを大事に思えばこそできること。黒澤は春田へのくすぶる想いに“推し”という名前をつけたが、武川が“オムツパートナー”を探してありとあらゆる手を尽くすも、結局は牧を忘れられないように、本当に好きな人と結ばれるとは限らない。結ばれたとしても、“菊様”こと菊之助(三浦翔平)が想いを寄せる和泉のように、ある日突然、その大事な人を失うこともある。黒澤の余命宣告はまだ本当かどうかはわからないが、絶対にそういうことがないとは言い切れない。だからこそ、目の前にいる人を大事にしようとこの作品は思わせてくれる。

 本作は一旦最終回を迎えるが、また春田や牧たちに会いたい。願わくば、現実世界が同性同士でも結婚できるようになり、春田と牧が書面上でも“家族”になれる日まで。いや、登場人物全員がおじいちゃんおばあちゃんになって、天寿を全うするその時まで。私たちにも長生きして、彼らの人生を見守り続けさせてほしいと願う。

■放送情報
『おっさんずラブ-リターンズ-』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15~0:15放送
出演:田中圭、吉田鋼太郎、林遣都、内田理央、眞島秀和、大塚寧々、金子大地、伊藤修子、児嶋一哉、井浦新、三浦翔平ほか
脚本:徳尾浩司
音楽:河野伸
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、神馬由季(アズバーズ)
監督:瑠東東一郎、山本大輔、Yuki Saito
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日
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