『ブギウギ』趣里×菊地凛子、初めての“怒り”のぶつけ合い タナケンの本質を捉えた格言も

 だが、りつ子は心の底からスズ子が憎くなったわけではない。鮫島に煽られ、堪忍袋の緒が切れたスズ子は「ワテかて必死でやってんのに何で、何も知らへんあんたに、何で、そないなこと言われなあかんねん!」と声をあげる。

 スズ子の怒声に驚き、愛子(小野美音)が泣きじゃくると、スズ子は愛子を連れてその場を出ていった。愛子を泣かせてしまい、肩を落とすスズ子を目にしたりつ子は、ふと視線を落とす。スズ子が仕事に育児に懸命に励んでいるのを知っていたはずなのに、と自責の念に駆られているようにも見えた。スズ子たちが立ち去った後も、その面持ちにまだ少しだけスズ子への憤りを残しつつも、出ていったスズ子を心配するような表情を見せた。

 スズ子を歌手として認めてきたからこそ、スズ子が歌だけで勝負しなくなったことが許せなかったりつ子。りつ子の怒りが胸を打ったが、歌を捨てる気などないスズ子にとっては苦しい出来事だった。そんなスズ子にタナケン(生瀬勝久)がこんな言葉を送った。

「続けるしかない。邪魔されようが、誤解されようが芸で伝えるしかない。生き方でわかってもらうしかないんだよ。歌手も役者も」

 そして何より、スズ子の精一杯の姿を一番近くで見ていた娘の愛子が認めている。映画の撮影が終わり、スズ子はさっそく羽鳥(草彅剛)のもとへ向かった。「次も、ブギでお願いします」「ブギで勝負したいんです」と言うスズ子の目は、これまでにないほど熱意に燃えていた。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー) 
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie

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