安藤サクラ主演『百円の恋』中国リメイク版が新記録達成 足立紳&武正晴も歓喜のコメント

 安藤サクラ主演映画『百円の恋』の中国リメイク版『YOLO(英題)』が、中国でリメイクされた日本映画における最高興行収入記録を達成した。

 2014年12月20日に公開された安藤主演の『百円の恋』は、足立紳が脚本を手がけ、武正晴が監督を務めた人間ドラマ。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など国内外合わせ通算21冠の映画賞を受賞、異例のロングランヒットを記録した。

 中国リメイク版の『YOLO』は中国で2月10日に公開され、春節期のナンバーワンヒット作として快進撃を続けている。そして、2月17日に中国での興収が27.24億元(約544.8億円)を突破し、中国でリメイクされた日本映画における最高興行収入記録を達成した。過去、中国でリメイクされた日本映画の最大ヒット作『ザ・マジックアワー』(興行収入26.27億元/約533.8億円)の記録を公開8日目で早くも塗り替えた。2月18日現在の興収は28.54億元(約570.8億円)となっている。

 『YOLO』は、東映および東映ビデオが中国サイドよりオファーを受け製作された。作品開発にはオリジナル作品の脚本を手がけた足立、監督の武、プロデューサーの佐藤現が監修を行い、中国を代表するコメディエンヌである女優ジャー・リンが主演・監督を務めた。ジャー・リンは、同じく主演・監督を務めた前作『こんにちは、私のお母さん』(2021年)が興収54億1300万元(約900億円)の大ヒットを記録している。この数字は中国映画市場における興収歴代3位となり、同じジャー・リン自らが熱望した企画である『YOLO』は公開前から大きく注目されていた。なお、『YOLO』の日本公開は未定となっている。

 この大ヒットを受け、足立と武からはコメントが到着。足立は「『百円の恋』の公開から10年、外国でリメイクされるなど当たり前ですが1ミリも思っていませんでした。しかもそれが大ヒットなんて夢のようです。日本の片隅で作られた映画を観て、それを自国で作りたいと思ってくれた人たちがいたということにとても勇気づけられました」とコメント。武は「大ヒットおめでとうございます。我が事のように嬉しいです。映画の仕事を始めて35年目ですが、映画の素晴らしさを今回のリメイクのおかげで改めて実感することができました。今後少しでも多くの皆様に観ていただくことを切に願っております」と喜びのコメントを寄せた。

コメント

足立紳(脚本)

『百円の恋』の公開から10年、外国でリメイクされるなど当たり前ですが1ミリも思っていませんでした。しかもそれが大ヒットなんて夢のようです。昨年、撮影現場を訪れたときのジャー・リンさんはとても眩しくてカッコ良かったです。それはオリジナル版の撮影現場での安藤サクラさんもそうでした。そして映画の中のジャー・リンさんはやっぱりカッコ良かったです。日本の片隅で作られた映画を観て、それを自国で作りたいと思ってくれた人たちがいたということにとても勇気づけられました。

武正晴(監督)

大ヒットおめでとうございます。我が事のように嬉しいです。公開10年後の嬉しいニュースに、観ていただいた中国のお客様に感謝です。中国スタッフ、キャストの皆様に深謝です。特にジャー・リンさんの勇気と情熱に拍手です。思えば、足立さんが書いてくれた『百円の恋』のシナリオを最初に読んだ時の幸福な時間は忘れることができません。そして困難な一子役のオーディションに、安藤サクラさんが扉を開けて現れた勇姿に震えた事も忘れません。この映画を撮ってようやく映画監督としてスタートできたと思いました。今でもこの映画は僕のお守りです。映画の仕事を始めて35年目ですが、映画の素晴らしさを今回のリメイクのおかげで改めて実感することができました。今後少しでも多くの皆様に観ていただくことを切に願っております。

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