市村正親が俳優を志したきっかけとは? 『院内警察』桐谷健太、長濱ねるへの信頼も

市村正親が語る桐谷健太&長濱ねるへの信頼

「一番大事なのは、自分の好きな仕事を見つけること」

――今の若い世代に向けて、仕事を選ぶ上で大切にした方がいいと思うことがあれば教えてください。

市村:一番大事なのは、やはり自分の好きな仕事を見つけることですね。なんの職業に就いても自分が好きならば、どんなことがあっても耐えられると思います。お金を稼ぐことを目的に仕事をしていたら、その組織が嫌になることもあるかもしれないけれど、好きなことを仕事にしたら、好きだからこそ我慢できるということもあると思うんです。

――市村さん自身も好きなことを仕事にしたいということで俳優を始めたのでしょうか?

市村:僕がこの職業を選んだのは、高校在学中にある芝居を見たことがきっかけです。木下順二さんという作家の『オットーと呼ばれる日本人』を観た時に衝撃を受けました。これはスパイの話なのですが、その時の僕は詳しいことは分からなかったけれど、高校3年生なりに激しい人生を感じました。激しい人生を生きる役者という職業をいいなと思い、自分もなりたいなと。それから舞芸(舞台芸術学院)に進み、そのときに西村晃さんと出会い付き人を3年間やりました。24歳になる時に付き人を卒業。その後、劇団四季のオーディションを受けたら受かって、そこからトントン拍子に来ちゃいました。ずっと好きなことをやってきたので、どこかでくじけたと思ったこともありませんでしたね。

――若い世代にとっても励みになると思います。

市村:好きなことを見つけるのが一番かもしれないですね。初めはお金にならなくてもいいんですよ。好きなんだから。例えば物を作るにしても、最初のうちは売れなくても好きでやっていくうちに規模が大きくなって作品も良くなるんじゃないかという気がします。

――75歳を迎えられて、今後新しくチャレンジしてみたいことはありますか?

市村:あくまでも生涯現役ですから、そのためには体のコンディションを整えて健康に注意しなければいけないと思っています。去年は役者生活50周年を迎えましたが、舞台が非常に少なくて『市村座』と『生きる』だけでした。逆に映画とドラマは増えて、草彅剛君の『碁盤斬り』という映画にも出演しています。試写で僕の役を観たときに、大きな役ではないけれど大事なところで出てきて締める場面が多くて、「ああ、面白いな」と思いました。いろんなバリエーションの役の相談がくるので、これからもいろんな役と出会えると思うと、それもまた楽しいなと思います。いろんな監督さんとも出会えるし、みなさんとも出会えるし、作品ともまた出会える。だから今後もそのようなスタンスで、生涯現役でやれたらいいなと思います。

――今後の『院内警察』の放送をより楽しむためのポイントを聞かせてください。

市村:武良井の恋人が亡くなっていることは、みなさんすでにご存じだと思います。そこに関して、どのような謎解きが展開されていくのかが、やはり一番の見どころですね。そこでは榊原俊介先生(瀬戸康史)だけでなく、もっと大きいところで何かが動いています。エピソードに付随する形でいろんなものが混じり合いながら、最終的には主軸である恋人の死にまつわる病院の秘密が見えてくるのではないでしょうか。

――市村さん注目シーンはありますか?

市村:武良井のことを父親のように温かい目で、時には母親のような気持ちでじっと見守っている横堀の姿ですね。そこに川本というパリパリの新人さんが来て一生懸命やっているのも含め、チームワークを作っていく部分が見どころです。横堀としては、親のような存在というところが出せたらと思います。そして「いざというときは投げちゃうよ」みたいな(笑)。

――そのシーンを楽しみにしております!

市村:ちょっとカッコいい場面もあったりしてね。撮影したときに、監督も含めてスタッフ一同が「おおーっ!」と言ってくれたのだから、きっとカッコよく仕上がっていると思いますよ。

■放送情報
『院内警察』
フジテレビ系にて、毎週金曜21:00〜21:58放送
出演:桐谷健太、瀬戸康史、長濱ねる、市村正親、さとうほなみ、馬場ふみか、玄理、工藤美桜、西村元貴、神尾佑、でんでんほか
原作:『院内警察 アスクレピオスの蛇』酒井義(原作)、林いち(漫画)(秋田書店『ヤングチャンピオン』連載)
脚本:天本絵美、諸橋隼人、相馬光
演出:石川淳一、木村真人、北坊信一
音楽:馬瀬みさき
編成企画:日高峻
プロデュース:中村亮太
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
©︎フジテレビ/共同テレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/innai_keisatsu/
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