『新空港占拠』警察内部の裏切り者は2人? 大和の真意と「猫」「鼠」の正体を考察

 櫻井翔主演ドラマ『新空港占拠』(日本テレビ系)の第3話では、前作『大病院占拠』で病院を占拠した武装集団「百鬼夜行」のリーダー・青鬼こと大和耕一(菊池風磨)が登場した。また、警備部SAT(特殊部隊)の管理官・丹波(平山浩行)が獣の1人「虎」の正体と明かされるなど、本格的に前作と関わりがある展開であることが分かり、面白くなってきた。

丹波の自殺した妻と空港建設に繋がり?

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 第3話では、かながわ新空港顧問弁護士の米沢秀夫(長田成哉)の“嘘”が暴かれた。第2話では、空港の建設を取り仕切った白河組の会長・白河巌(俵木藤汰)が元秘書の新見百花を自殺に追いこみ、隠蔽するのに暗躍していたことが明かされたが、それとは別に、美容整形医の秋月と手を組み、偽装パスポートで何人もの犯罪者を出国させていたことが明らかとなったのだ。それは人質の中にいる壬生正雄(手塚とおる)を出国させようと計画していたものだった。壬生の正体は、第1話で「界星堂病院占拠事件からまもなく1年 保釈中に逃亡」というニュースが流れた元衆議院議員・北見茂。P2計画の首謀者として病院占拠事件に関連した複数の罪に問われ、現在逃亡中の身であった。

 そんな壬生を、獣の1人「虎」は「絶対許さない、お前だけは!」と捕らえ、「虎」と「猿」が正体を現した。虎は病院占拠事件で警備部SAT(特殊部隊)の管理官だった丹波、猿は丹波の息子で元巡査の直樹(岩瀬洋志)。丹波は「俺たちはこの男(北見茂)のせいで獣になった。北見のウソを暴け」と武蔵(櫻井翔)に要求した。

 丹波の妻・愛はフリージャーナリストだったが、記事に捏造疑惑が持ち上がり、誹謗中傷を受けて半年前に自殺している。丹波は自殺に疑いを持ったが、上層部が事件性なしと判断。新見百花の死と同じパターンだ。この一件で丹波親子は警察を依願退職した。北見に恨みを持つのは、愛が書いた記事に対し、北見が捏造だと圧力をかけたということか。それならばその記事はP2計画についてのものか、もしくは、北見を海外逃亡させようとした米沢はこれまで、港湾資源開発、資源エネルギー庁、太平洋採掘鉱山などの人物を逃亡させていただけに、そうした国土交通省絡みなのかもしれない。もしそうなら空港建設にも繋がってきそうだ。

映画『ソウ』にも似た獣の行動の真意とは

 獣は次のターゲットとして、かながわ新空港社長の天童(黒沢あすか)に「この中の一人を毒殺しろ。そうすれば罪を見逃して解放する、選ぶのはお前だ」とシアン化合物を渡す。天童は、脱出を試みた際に自分を見殺しにした秘書の宇和島健介(濱津隆之)を犠牲にしようとしている様子。しかし宇和島は確実に天童や空港の秘密を握っている人物であり、獣たちは天童と宇和島の間を引き裂こうと画策したのか、それとも他の重要人物を炙り出す狙いなのか。

 しかし今回の獣たちの行動の特徴は、単に犯人たちを懺悔させるのではなく、被害者にまつわるトリッキーな拷問マシンも含め、映画『ソウ』の「Live or die, make your choice.(生きるか死ぬかお前次第だ)」と選択肢を与え、命の尊さを教えるといった要素を感じる。今回の米沢は、ポケットに「私の正体を獣にバラしたらお前の母親を殺す」とメモを入れて試し、母親を守ったことで、羊が「あんたでも母親が大切なんだ」と声をかける。前作の鬼たちよりも人情を大切にする人たちなのか。いぜれにせよ罪を暴かれる人質に選択肢を与えているという鬼と獣の違いが色濃くなってきた。さて、天童は誰を選ぶのか。

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