パク・ソジュン、マ・ドンソク、イ・ビョンホンら、ハリウッドでも活躍する韓国人俳優たち

ユン・ヨジョン

ユン・ヨジョン(写真:REX/アフロ)

 韓国からアメリカ合衆国に移住した一家を描く映画『ミナリ』は、台詞の半分以上が朝鮮語であるにもかかわらず、様々な国で高く評価され、各国の映画祭で高く評価された。中でも話題となったのが、一家の祖母、スンジャ役で第93回アカデミー賞助演女優賞を受賞したユン・ヨジョンだ。アジア人女優では第30回アカデミー賞のナンシー梅木(『サヨナラ』)以来、63年ぶり2人目となる助演女優賞受賞者となった。

 快挙を成し遂げた大舞台でのスピーチは、時折冗談を交えながらも流暢な英語で堂々としていた。それはまるで映画の中での、毒舌ながら茶目っ気もありどこか憎めないスンジャのようだった。

 ユン・ヨジョンは本作での演技が世界に評価され、第93回アカデミー賞を合わせて合計16の賞レースにおいて助演女優賞を受賞している。

 アメリカで暮らす娘一家孫の世話をする為に韓国からはるばる渡米したスンジャ。彼女は文字も読めなければ料理もできず、ただ子供たちに花札を教えるだけ。おばあちゃんらしくないおばあちゃんだ。彼女や一家は、厳しい現実や思いもよらない事態に翻弄されながらも逞しく生きようとする。

 そんな映画の中で、ユン・ヨジョンはまるで演技を感じさせない。スンジャがそこに居る。そう思わせる卓越した演技力が、ユン・ヨジョンの大きな魅力である。

イ・ビョンホン

イ・ビョンホン(写真:アフロ)

 精悍な容姿と「千の顔をもつ俳優」と評される演技力。韓流四天王とも称されたイ・ビョンホンは、数々のハリウッド映画に参加している。韓国人俳優がハリウッド進出、というレベルではなく、もはやハリウッド俳優、国際的スターとして活躍しており、アジア人俳優では初めてチャイニーズシアターに手足型を刻んだ。

 恵まれた容姿や声、演技の才能を持ちながら、それに甘えず懸命に努力するひたむきな性格である。それゆえハリウッドからオファーが相次ぐ。『REDリターンズ』や『ターミネーター:新起動/ジェニシス』といった大作の中でも、与えられた役の魅力を100%以上の最大値まで引き出す俳優だ。シンタロウ・シモサワ監督の『ブラックファイル 野心の代償』では、アンソニー・ホプキンスやアル・パチーノと並び、ストーリーの鍵を握る謎の男として活躍した。

 それでも、本人は驕り昂らない。インタビューでは、ハリウッドの現場では育ってきた環境や言語、文化、精神といったものが違う以上、ハリウッドで生まれ育った役者たちと同等の演技をするのは難しく、それが悲しい。しかし、それを理解することができるようになってきたことが嬉しい、という旨のことを話している。(※)類まれなる精神力で、この先もいろんな演技を見せてくれるだろう。『コンクリート・ユートピア』での怪演も今話題だ。

参照
※ https://www.crank-in.net/interview/40998/1

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