山田杏奈が来るところまで来た! 実写版『ゴールデンカムイ』アシリパ役に相応しい実力
ようやく、山田杏奈が来るところまで来た! 実写版『ゴールデンカムイ』のアシリパ役に彼女が決まったとき、そう思った。物語のカギを握るアイヌの少女を演じる者として、彼女ほど相応しい俳優はそういないだろう。それに、ヒロインとしてこのビッグタイトルを背負えるだけの力を、彼女は十分に持っていると感じていたからだ。
山田が演じるアシリパとは、厳しい北の大地を生き抜く知恵と狩猟技術を持つアイヌの少女。ある目的のためにアイヌの莫大な埋蔵金を探す主人公・杉元佐一(山﨑賢人)がヒグマに襲われていたところを助け、それから行動をともにすることになる。かつて埋蔵金を強奪して隠した男に、彼女は父親を殺されているのだ。小柄がゆえに非常に身軽で、巧みに弓矢を操ってみせ、大男たちとも堂々と渡り合うことのできる人物である。
このアシリパ役は、誰にでも演じられるものではない。いくらマンガの中のキャラクターとはいえ、気軽に演じられるものではないはずだ。アイヌ民族は北海道を主な居住地とする先住民族で、アイヌ特有の文化を築き上げてきた。自然を重んじる価値観や食文化は『ゴールデンカムイ』の劇中にも描かれているし、アイヌ固有の言語だってある。そういったものを、アシリパを演じる者は背負わなければならないというわけだ。挑戦するにはさまざまなハードルがあるだろう。
しかし、山田がアシリパ役を務めることに関して私は冒頭で、“アイヌの少女を演じる者として、彼女ほど相応しい俳優はそういない”と記した。彼女はこれまでも俳優として、多くのものを背負ってきたのだ。