ムロツヨシ×平手友梨奈の異色バディ誕生 『うちの弁護士は手がかかる』で軽妙な掛け合い

 ムロツヨシ主演ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』(フジテレビ系)が10月13日よりスタートした。

 本作は、ムロ演じる元芸能事務所の敏腕マネージャー・蔵前勉が、平手友梨奈演じる超エリートだが、猪突猛進な性格で空回りしてしまう新人弁護士・天野杏に振り回されながらパラリーガルとして奮闘する、育成型リーガルエンターテインメント。

 約54年ぶりに復活するフジテレビ系金曜21時枠であったり、吉瀬美智子を筆頭に戸田恵子、安達祐実といった脇を固める豪華キャストも目を見張るが、本作の見どころは何と言っても「ムロツヨシ×平手友梨奈」という異色とも言えるバディの誕生である。

 はっきり言ってしまえばリーガルドラマは飽和状態だ。それでも毎シーズンというほどに新たな作品が生まれてくるのは人気ジャンルである証拠とも言えるが、その中で視聴者を惹きつけるためには、大きな引っ掛かりを作らなければならない。それがムロと平手の組み合わせ。実際にその前情報だけを頼りに、チャンネルを回し、もしくは配信を再生した視聴者は多くいるのではないだろうか。

 トップ女優・笠原梨乃(吉瀬美智子)の敏腕マネージャーから、パラリーガルへと転身する蔵前勉は、ほぼお笑いなしの、それほどクセのないフラットなムロツヨシという印象だ。堅実で愚直、それ故に笠原から捨てられ、自殺に向かおうとしていたところで天野杏と運命的な出会いを果たす。遅刻をするわ、物はなくすわ、人とのコミュニケーション能力は皆無と手はかかるが、最年少で司法試験に合格した超エリート新人弁護士という天野杏。“天才役”としては映画『響-HIBIKI-』で演じた鮎喰響を筆頭に、直近では『六本木クラス』(テレビ朝日系)の麻宮葵といった、これまで平手が演じてきた役のほぼ全てに共通している。

 『六本木クラス』の際には初めての失恋の芝居が印象的であったが、今回の『うちの弁護士は手がかかる』では初動からより表情豊かな演技を見せてくれている。お得意の小生意気な笑顔に、ニヒルな表情、グミに夢中な子供っぽい仕草まで。「法律こそ弱者が戦える唯一の手段」だと語る彼女の過去は、今後のストーリーの重要なポイントになっていくのだろう。そして、蔵前にとっては笠原から突きつけられた「あなたの仕事は誰がやっても変わらない」という言葉に対しての自分なりのアンサーを探していくことが、彼のストーリー要素になっていく予感がする。

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