『いちばんすきな花』は視点によって見え方が変化？　多部未華子、松下洸平らの言葉に注目

　『silent』と同様『いちばんすきな花』にも、こうした問いに対して視聴者自身が“手探り”していく魅力が詰まっている。そこに多部や松下のナチュラルで透明感溢れる芝居が重なることで、それぞれの抱える痛みはより一層ヒリヒリと浮かび上がるのだ。

　物語はまだまだ始まったばかりだが、今後の展開で期待されるのは各々のセリフに綿密に練り込まれた伏線がどう回収されていくかだろう。早くも書き留めておきたくなるような珠玉のセリフが数多く登場する『いちばんすきな花』の第1話。会話やモノローグの中には、これからトピックの中心となるキーワードがいくつもちりばめられているように感じた。第2話、第3話と物語が続く中で、ゆくえ、椿、夜々、紅葉はどう価値観を変えていくか、または価値観を変えることなく育てていくのか。そんなところも気にしつつ、本作の魅力に浸り続けたいと感じた。

■放送情報
木曜劇場『いちばんすきな花』
フジテレビ系にて、10月12日（木）スタート 毎週木曜22:00～22:54放送
※初回20分拡大（22:00〜23:14放送）
出演：多部未華子、松下洸平、神尾楓珠、今田美桜、齋藤飛鳥、白鳥玉季、黒川想矢、田辺桃子、泉澤祐希、臼田あさ美、仲野太賀ほか
脚本：生方美久
プロデュース：村瀬健
演出：髙野舞
音楽：得田真裕
制作・著作：フジテレビ
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