2023.10.06 08:00

ロキがMCUに影響を与えてきた“災い”を振り返る　ソー役クリス・ヘムズワース「災いの神」

文＝リアルサウンド映画部

　マーベル・スタジオのオリジナルドラマシリーズ『ロキ』シーズン2が、10月6日10時よりディズニープラスで日米独占配信される。

　数多くの MCU（マーベル・シネマティック・ユニバース）作品に登場し、嘘と悪戯を愛する“裏切り王子”の愛称で愛されるロキ。初登場した『マイティ・ソー』（2011年）から『アベンジャーズ／エンドゲーム』（2019年）、そして『ロキ』（2021年）に至るまで類い稀な存在感を放ってきた彼は、MCUの歴史に刻まれるほどの重要な出来事にことごとく足を踏み入れるキャラクターだ。ソー役のクリス・ヘムズワースが「ロキはまさに災いの神だよ！」と語るように、ロキが“MCU全体へ与えてきた災い”を振り返る。

　アベンジャーズのアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクら“ヒーロー”と共に、“ヴィラン”としてMCUの人気を牽引してきたロキ。ソーの義弟で、数々の悪行を働きながらも軽率な失敗を繰り返したり、時に兄弟の絆や家族愛を思わせたりと、完璧でない姿が魅力的で世界中から愛されてきた。『マイティ・ソー』では故郷アスガルドの王座を奪おうと計画しソーと対峙するも失敗、しかしエンドロールでは、のちにサノスが『アベンジャーズ／インフィニティ・ウォー』（2018年）で“宇宙の生命の半分“を消し去るための重要なアイテムとなるインフィニティ・ストーン（“スペース・ストーン”）を虎視眈々と狙っていた。

　そして『アベンジャーズ』（2012年）では、サノスからインフィニティ・ストーン（“マインド・ストーン”）を受け取り、6つある中の2つのストーンをまんまと手に入れ、その強力なパワーを悪用して地球侵略計画を目論む。地球滅亡の危機を前にニック・フューリーは“アベンジャーズ”を結成することを決意。ロキの悪事がアベンジャーズの結成のきっかけを作り、さらにその後訪れる『エンドゲーム』でのサノスの“指パッチン”への布石となるなど、以降の物語に大きく影響を与える“災い”をもたらした。

　さらにその後も、『マイティ・ソー／ダーク・ワールド』（2013年）や『マイティ・ソーバトルロイヤル』（2017年）でも、味方らしくなったり敵になったりと、兄ソーらを振り回すほどに“大活躍”。そして『エンドゲーム』では、サノスとの再戦のためにアイアンマン、キャプテン・アメリカらが“スペース・ストーン”を回収すべく、映画『アベンジャーズ』でロキが地球侵略を試みたニューヨーク大戦時にタイムトラベル。そこでアイアンマンが落としたストーンをロキがすかさず拾い上げ、時空の彼方へ持ち逃げ。危うくアベンジャーズの打倒サノス計画を台無しにしかけ、危うく“災い”を起こしそうに……。

　『ロキ』シーズン1では、時空を超えたロキが“時間の流れを管理する”組織TVA（時間変異取締局）に捕まり、自由と引き換えに時間軸を修復するミッションに無理やり協力させられることに。ミッションに挑むロキは、独裁的にあらゆる時間軸を管理する黒幕“在り続ける者”の存在にたどり着く。彼はロキに「時間軸の管理に疲れた」と語り無抵抗のまま命を落とすが、それにより秩序が崩壊し、時間軸の分岐が無数に発生してしまう。この世界とは別に他の世界が並行して存在するパラレルワールド“マルチバース”の扉を開くきっかけとなった“災い”は、それ以降の物語である『スパイダーマン：ノー・ウェイ・ホーム』（2021年）や『ドクター・ストレンジ／マルチバース・オブ・マッドネス』（2022年）にも大きく影響を与えた。

　そして、ミステリアスさが加速する『ロキ』のシーズン2では、謎の“タイムスリップ現象”に見舞われたロキが“世界の破滅”という未曾有の危機を防ぐために、嘘と裏切りを駆使し奔走する―。“裏切り王子”は、世界の“時間”を股にかけた冒険で今度はどんな悪戯を見せるのか。ロキ役のトム・ヒドルストンが「ロキの物語はまだまだ終わっていないよ」と言葉少なに語るように、今後もMCUの物語全体に“災い”をもたらすことを予感させる。