『ブギウギ』澤井梨丘×清水胡桃、子役たちの名演が序盤を牽引 誠実な告白シーンが胸を打つ
『ブギウギ』(NHK総合)第3話で、鈴子(澤井梨丘)とタイ子(清水胡桃)は天神祭へ行った帰り、クラスの男子たちと遭遇する。その中にはタイ子の好きな人である松岡(湯田大夢)の姿もあった。男子たちが鈴子に「お前、やっぱり松岡のこと好きなんやろ。ついてきたんやろ!」「松岡に会いに来よったで!」とからかう中、鈴子のマイペースな弟・六郎(又野暁仁)がのんびりした口調でその場をややこしくする。
「あんな、松岡くんのこと好きなんはな、姉やんやなくてタイ子ちゃんなんやで」
六郎の純粋さは愛らしく映るが、鈴子のお節介以上にはっきりとタイ子の好きな人がバレることとなり、鈴子もタイ子も、男子たちも一瞬無言になってしまうのが面白い。
男子たちは「タイ子は芸者の子やでえ」「妾の子やで!」と心ない言葉を向け、鈴子は憤る。姉を気にかけ、駆け出そうとして転んだ六郎をもバカにする男子たちに「あんたら、ごっついかっこ悪いねん!」と言い放つ鈴子はかっこいい。「松岡、お前もしょうもないやっちゃ!」と鈴子の怒りの矛先は何も言わない松岡にも向けられる。そんな折、タイ子が声をあげる。
タイ子は鈴子のようにはっきり物を言えるようになりたいとずっと思っていた。勇気を振り絞り、松岡をまっすぐ見つめ、「ウチ、松岡君のこと好きやで」と告白する姿が胸を打った。松岡もまた、タイ子の言葉を実直に受け止める。「何か言うたりぃな、松岡!」と鈴子からせっつかれた松岡は、タイ子に目を合わせると、帽子を脱ぎ、真面目な面持ちで「ごめん」と返した。鈴子にとっては納得のいかない答えだったが、松岡は「ワ、ワシ……好きな人おんねん」と明かした。タイ子と松岡が、お互いの心の内を正直に打ち明けることができたのは、鈴子の溌剌とした性格と率直に相手と向き合う姿勢のおかげといえる。