『パリピ孔明』向井理の“ハマり具合”に納得 アヴちゃんらによる圧巻のパフォーマンスも

 ま、眩しい……! 向井理主演の連続ドラマ『パリピ孔明』(フジテレビ系)が9月27日にスタートした。五島列島の自然豊かな風景に癒された前クールのフジテレビ系水10ドラマ『ばらかもん』とは打って変わり、若者が集うポップカルチャーの発信地・渋谷を舞台にした本作の画面からは、思わず圧倒されるようなパワーがほとばしる。

 魏・呉・蜀という3つの中国の国が天下の覇権争いをしていた三国時代。戦いのさなか病に倒れた蜀漢の天才軍師・諸葛孔明(向井理)が若かりし姿で現代に転生し、ハロウィンで賑わう渋谷に降り立つところから展開されるこの物語。転生モノは今やラノベやアニメの一大ジャンルとなっているが、本作最大の特徴は音楽とのクロスオーバーだ。

「いかなる夢であろうと、どんな困難な道になろうと、この孔明、死力を尽くしてお助けいたします」

 かつての主君である劉備(ディーン・フジオカ)との約束を果たすべく、“音楽”で天下泰平を目指すことを決めた孔明。そんな彼が現代で新たな主君に選んだのは、ライブハウス「BBラウンジ」でバイトをしながらシンガーを目指す月見英子(上白石萌歌)だった。軍師=マネージャーとしての最初の仕事は、人気歌手・西表ミア(菅原小春)の当て馬にされた英子のライブを満員にすること。孔明は劉備を追撃する敵・陸遜を惑わせた戦術で客を呼び込み、見事ライブを成功へと導く。

 累計発行部数160万部突破の人気コミックを実写化する上で、成功の鍵を握っているのはもちろんライブシーン。本作ではドラマやCMはもとより、King & Princeのデビュー曲「シンデレラガール」のMVなども手がけてきた渋江修平が演出を担当している。そのため、ライブシーンはMVと見紛うほどアーティスティックに彩られており、全身の細胞が沸き立つ音楽というものが最大限表現されていた。また、特筆すべきは菅原小春、アヴちゃん(女王蜂)、関口メンディー(EXILE / GENERATIONS from EXILE TRIBE)ら、個性豊かなアーティストを演じるキャストたちのハイレベルなパフォーマンスだろう。

 菅原演じるミアは鍛え上げられた肉体を駆使したダンスパフォーマンスで観客を魅せるシンガー。ダンサーで振付師としても活躍する菅原の躍動感に満ちた動きがその設定に説得力を与える。世界的シンガーのマリア・ディーゼルを演じるアヴちゃん(女王蜂)の持ち味は何といっても圧倒的表現力。高音と低音を巧みに使い分け、歌の世界を伸びやかに表現するパフォーマンスに英子が生きる希望を得た時の、その全身が粟立つような感覚がリアルに伝わってくる。スーパーアーティストの前園ケイジを演じる関口メンディーの、普段の彼の親しみを感じさせる人柄からは想像もつかないクールかつゴージャスなパフォーマンスも今後の展開に期待感をもたらすものだった。

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