『トトロ』『魔女宅』『ポニョ』『ラピュタ』『千と千尋』 ジブリの“隠れMVP”キャラ5選

 ジブリの作品に登場する特徴的なキャラクターたちの中には、メインキャラクターではないものの、さまざまな形で主人公に貢献したキャラが多く存在している。本稿では、物語ではそこまで注目されていないものの、実は大きな役割を果たしていたジブリキャラクターを5つ選び、それぞれの魅力について紹介していく。

『となりのトトロ』ネコバス

『となりのトトロ』©1988 Studio Ghibli

 ネコバスは、『となりのトトロ』に登場するバス型の化け猫。頭がバスのボンネットにあたる部分になっており、身体の空洞になっている部分が座席になっている。また、水の上や森の中など場所を選ばずに高速で走行することができる。

 ネコバスの評価されるべきポイントは、村の人々が総出で探し回っても見つからなかった迷子のメイを見つけ出したところにある。それだけではなく、本来、人間を乗せることがないはずのネコバスは、メイを助け出した後も、母のいる七国山病院へサツキとメイを連れて行ったり、2人の自宅まで送り届けたりしていた。

『となりのトトロ』©1988 Studio Ghibli

   ネコバスの魅力は、サツキが初めてネコバスに乗ったシーンによく現れているように思う。毛に覆われたふわっふわの座席や、トランポリンのような座り心地、そして、風のように速いスピード。思わず「乗ってみたい!」と観客に思わせるような永遠の憧れをもった“乗り物”として、ジブリ作品の中でも特別な存在になっている。

『魔女の宅急便』ウルスラ

『魔女の宅急便』©1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

 ウルスラは、『魔女の宅急便』に登場する画家を目指している少女で、主人公・キキが猫のぬいぐるみの配達をしている時に起きたアクシデントをきっかけに出会った。

 ウルスラの評価されるべきポイントは、自信をなくし、魔力を失いかけていたキキを家に迎え入れ、自身のスランプに苦しんだ経験を共有し、励ましの言葉をかけることでキキを支えたところにある。

『魔女の宅急便』©1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

 ウルスラの魅力は、本作のテーマである「自立」を、自分の夢を追いかけながらできている芯の強さにあると思う。作中でも、スランプに陥ってしまったときの対処法について「描くのをやめる。散歩したり 景色を見たり、昼寝したり 何もしない。そのうちに急に描きたくなる」と、前向きにアドバイスしている姿が印象的だった。

『崖の上のポニョ』トキ

『崖の上のポニョ』©2008 Studio Ghibli・NDHDMT

 トキさんは、『崖の上のポニョ』に登場する老人介護施設「ひまわりの家」の利用者で、電動車椅子に座っているおばあちゃん。

 トキさんの評価されるべきポイントは、ポニョと初めて出会った際に、「人面魚だ、津波が来る」とポニョを怖がり、周囲からは変わり者として見られていたが、結局、トキさんの言っていた通りのことが起きたところにあると思う。津波を予言していた登場人物は、本作でトキさんのみである。

『崖の上のポニョ』©2008 Studio Ghibli・NDHDMT

 トキさんの魅力は、不器用で無愛想ながら根はすごく優しいところにある。特に、台風が来た際に宗介の無事を確認したトキさんは、誰よりも早く宗介に抱きつき大粒に涙を流していたのだ。

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